『Warhammer: Invasion』と『The Gathering Storm』

 今回はウォーハンマー関連の未訳商品の紹介です。


 1つ目は、ウォーハンマーを題材にしたカードゲームの『Warhammer: Invasion』です。これは、Fantasy Flight Game社が『ウォーハンマー3版』より先に手掛けていたもので、拡張パックが順当に発売されています。


 これは、カードゲームですがすべてのカードが製品に最初から入っているタイプです。プレイヤーは、ドワーフ軍とか混沌軍とか軍隊の1つを操り、対戦相手の城砦を滅ぼすまで戦うというものです。


 ルールブックはこちらでダウンロード可能です。


http://www.fantasyflightgames.com/ffg_content/warhammer_lcg/warhammer-invasion-lcg-rulebook-web/WHLCG_Rulebook_eng_small_file.pdf


 『Warhammer Quest』を翻訳した友人が最近これにはまりまして、おかげで仲間内で対戦を何回かすることができました。


 ルールの簡単な説明ですが、これは一対一の対戦カードゲームで、各プレイヤーはまず自軍のデッキを組みます。そしてプレイヤーは、自軍の城砦ボードを持っています。このボードの左側は王国ゾーン、上部が戦場ゾーン、右側がクエストゾーンになります。各ゾーンには初期で8点までダメージを耐えることができます。被ダメージの累計が耐えることができる量をこえたら、そのゾーンは炎上します。先に2か所のゾーンが炎上したプレイヤーが負けになります。各プレイヤーはターンの最初に貰える資源を消費して、手札からカードを各ゾーンに出すことになります。配置されたユニットカード(兵士のカード)はそのゾーンの守りになります。それ以外に、王国ゾーンならもらえる資源が増え、クエストゾーンなら引けるカードが増え、戦場ゾーンなら相手の城砦を攻撃することができます。ここら辺はよく考えられていると思います。内政重視でデッキの回転をよくして大技を狙うか、小技を駆使して短期決戦狙うとかできるわけです。当然、ドワーフは頑丈でオークは突発的な火力が高いなど各軍団に特色があり、色々と戦術を組めるわけですね。


 実プレイでは、混沌軍が最大ユニットのブラッド・サースターを召喚したものの、ドワーフ軍の護りを崩せず、グレーター・ディーモンの負荷によって自滅したとか、オーク軍が自軍のヒーロー・ユニットを最期に投石器でぶち込んでエルフの城砦を破壊したとか、なかなかウォーハンマーっぽくてよい感じでした。


 やり込んだわけでないし、カードゲームには詳しくないので、何とも言えない面はありますが、なかなかに燃えるシステムじゃないかと思います。しかし、残念なことに日本のAmazonじゃ基本キットは販売していないのですね、これ。




 続きまして、『ウォーハンマー3版』のシナリオ『The Gathering Storm』です。これのダウンロード販売が開始しています。製品版は39.95$で、ダウンロード版は10$です。製品版はボックスタイプで、何ページのシナリオが入っているかもわからないので購入を躊躇していたのですが、ダウンロード版なら安いので試しに購入してみました。ちなみに、同封のマップやカードがシナリオに必要であり、ダウンロード版では実際のプレイは難しいものになっています。


 シナリオは82ページで2版の『呪われし道』シリーズと同程度でした。内容も3版に移行してシナリオもダンジョンハックや戦闘メインになるかと思いましたが、ぱっと目を通したところなんかこれも『呪われし道』と似たような感じですね。


 舞台になるエンパイアの都市シュトルムドルフ(Stromdorf)の解説に1章を割き、シナリオも探求謎解きタイプって感じでした。


 個人的には2版にシュトルムドルフの設定を活用するためだけでも、このPDFを購入してもいいかなという感じです。比較的安いですし。



 ただ、『ウォーハンマー3版』はコアルールもPDF販売していますが、このPDFの動作がやたら重いです。文中にP.21とかある場合、そこをクリックしたら21ページにリンクするようにしているのですが、これが原因で1ページ表示するのに1秒以上かかるのですね。検索はリーダー自体の検索機能で充分ですし(そして、そもそも『ウォーハンマー3版』はデータ類はカードに記載されているので検索の必然性が低いし)、別にいらない機能なわけです。表示に1秒ってそれほどでもないかと思えるでしょうが、自分のなかでPDFってぱっと見れるものという感じなので、けっこうイライラしないでもないです。友人のパソコンでも同じという話でしたので、これは仕様なんでしょうね。ちなみに、2版PDFはそんな機能はついていないので、普通に見ることができます。


 後、3版は革新的なシステムという売り込みだったので、シナリオも従来路線から変わった革新的なものにするかもしれないという淡い期待があったのですが、まあそういう感じではないですね。