『ハーンマスター』便利ツール
以下に『ハーンマスター』に役立つツール等のPDFをアップしています。
これらは個人的に自作したもので、ダウンロードされた場合は個人使用にとどめて下さい。よろしくお願いします。
・『ハーン』サマリー A4サイズ4枚
http://skullline.sakura.ne.jp/HarnSummary1.0.pdf
・ショート・シナリオ『ハンドホルトの雌鶏』 15枚
http://skullline.sakura.ne.jp/HarnAdventure1.0.pdf
禁足地にようこそ! FORBIDDEN LANDS
久々の更新です。先週、ゲームサークルの合宿があり、国民宿舎でマイナーゲームを遊び倒してきました。
そこで、特に印象深かったのがたいたい竹流君がマスターしてくれた『FORBIDDEN LANDS』!
発売元は、スウェーデンのフリーリーグ社。『ザ・ループTRPG』の発売元で、色々尖った作品を世に出している会社ですね。
今回遊ぶ『FORBIDDEN LANDS』のジャンルは、ダークファンタジーと説明を受けます。かつては血の霧に覆われていた土地を探索する内容とのこと。霧で封じられた世界と言えば、フロムソフトを連想しますね。
で、プレイヤーハンドブックの表紙がこんな感じ。
https://freeleaguepublishing.com/wp-content/uploads/2023/09/Forbidden-Lands-cover-art_square-2048x2048.jpg
変化球ファンタジーという印象を持ちました。PCは、アンデッドとか、ハーフデヴィルとかがデフォルトとか。で、バイオレンス要素マシマシみたいな。
結論を先に書くと、この印象と違うシステムでした。王道ファンタジーに、リソース管理が厳しいガチガチなサバイバル要素モリモリで、そのシビアさが大変楽しく、参加者のアラフィフおっさんたちがキャッキャして遊べました。コンシューマーゲームに例えると、90年代に発売されたファミコンテイストのレトロ回帰ゲームを、令和の最新機でリバイバルしたような、おっさんホイホイ加減。また、英語版の原書で遊びましたが、それを差し引いても、ルール説明がとり散らかっていて大変読みにくく、まあ、一回、ボコボコにされて覚えてなってテイストで、こちらも懐かしいなぁ、もぅって感じでした。
具体的な話に戻りましょう。
キャラクターメイキングのためルールブックを確認すると、何かノスタルジーを感じるイラストが満載。90年代のロールマスターとかのテイストです。種族もエルフ、ドワーフ、ハーフリングやオーク。クラスもドルイド、ソーサラーやファイター等々。変化球よりも指輪系のど真ん中ストレート。GM曰く、オールドスタイルのTPRGとのこと。
https://freeleaguepublishing.com/wp-content/uploads/2023/09/ForbiddenLands_orch_pergament_kvadrat.jpg
能力値は4つ。筋力(Strength)、敏捷力(Agility)、知性(Wits)と共感力(Empathy)で、HPの概念はなくダメージはすべて能力値ダメージ。各能力値は2~4ポイントの割り振りだけど、種族とクラスの主能力は最大値を+1ずつして割り振り可能。
判定は、D6を複数個ロールして「6」の出目が成功度になるタイプ。ロールできる個数は、基本的に「能力値」と「技能レベル」、「アイテムによるボーナス」。これを種別ごとにダイスの色を分けてロール。何でやねんと思われるでしょうが、これは後で説明します。
キャラクターメイキングでは、種族とクラスを決めて、その後、「能力値」と「技能」、「特技(Talent)」を決めます。特技は、種族特技とクラス特技、一般特技があります。種族特技は種族に紐づけ、クラス特技はクラスごとに3つ用意されています。術者ならどの呪文がとれるとかですね。能力値と技能、特技をどれだけとれるかは、年齢体で決定。若輩PCは、能力値に割り振れるポイントは多いけど、一般特技は1つしか選べない。逆に壮年PCは、能力値は低めだけど、技能と特技が多めです。
皆、ルールブックとにらめっこしながらキャラクターメイキング。特殊用語が多く、実プレイではどうなるってのが分かりづらかったです。特に一般特技。クラスに推奨特技の記載もなく、一覧を確認する感じ。さらに、特技事にレベルがあり、重ね取りすると、より効果的になる。剣が得意とか非常にわかりやすいのがある反面、「料理人」とか「なめし革職人」とかどういうシチュエーションって感じのも多数。
何だかんだ試行錯誤の末にPC完成。オークのファイター、ドワーフのミンストレル、ハーフエルフのドルイド、ウルフェン(狼タイプ獣人)のハンターとゴブリンのライダーの5人パーティ。
セッション開始でGMがワールドマップを出します。地形とランドマークが描かれたヘックスのカラーマップです。川沿いの居住地から先にあるランドマークを目指すことをざくっと決めます。
探索モードは、1日を朝、昼、夕方、夜の4区分で進めるとのこと。季節によってデータが変わるので春を選択。GMにイージーモードやなぁと煽られながらも、とりあえず、安全そうな川沿いを進むことに。朝の移動の際に、GMがゲームマスターガイドを色々確認しながら、まずナビゲーションテストが必要とのこと。使用する技能は〈生存〉。パーティには〈生存〉技能をマックスの3レベルで持ち、関連能力値も最大値6の野外活動エキスパートのドルイド様がいます。流石、頼りになるわと思いつつも、9d6のロールの結果、6の出目は0。失敗になります。失敗するとランダムイベントが発生するとのこと。こことで登場するのが、プッシュというリロールのルール。プッシュを宣言したら、「6」以外の出目をリロールできます。しかし、“当然”リスクがあり、プッシュで出目「1」がでたら、その数だけダメージを受けます。技能のダイスは免除されますが、能力値は能力値ダメージ、アイテムはアイテムがダメージを受けるというドキドキ加減。だから、能力値とアイテムで振ったダイスは解るようにしろってことです。
「結構、辛口や、このシステム」と皆の眼の色が変わります。昼に食糧採取を試みるも、釣り道具が破壊されたり、失敗表によって野生動物に襲われたり(逆に食料は手に入りました)。壊れたアイテムを修復するのには〈作製〉技能が必要。関連能力値は筋力だけどオークファイターは未修得。手に入れた生肉を保存食加工するには、「料理人」の特技が必要等々。ナビゲーションテストだけでなく、食糧採取だけでなく、水採取も必要。野営するには野営地設置テストが必要。ドルイド様一人では、手が足らないの確定。キャラクターシートの消耗品の欄に、食糧や水、矢、松明があり、D8等のダイスの種類が描かれています。これ使った際に、指定されたダイスをロールして、出目が「1」か「2」だったら、D8からD6のようにダイスが1段階下がるルール。持てるだけの消耗品を持っていても急激に尽きる可能性があり、ええ感じ。また、プッシュで能力値にダメージが入るケースがあります。ただ、この際に、ダメージと同じ値の根性(Willpower)が入手でき、これはクラス特技(呪文等)の大技の発動に必要なもの。要は、探索パートで上手く休憩が取れれば、能力値ダメージは回復するので、ここで根性を貯めろというシステム設計思想。結局、パーティで相談して、昼に移動、夕方に野営準備、夜は就寝だが、夜目が利くゴブリンは見張り。朝に採取をしている間、ゴブリンが就寝する形に落ち着きました。この探索パートだけで高カロリー、お腹一杯な感じ!
続いてイベントが発生して、アドベンチャーパートが開始。ダンジョンハックが始まりますが、敵が強い、強い。こちらの前衛の筋力は4~6。武器が命中したらダメージ基本値1~2で、6の出目の2つ以上の分が加算。で、敵の筋力が二けたってなんやねん。ダメージを受けたら、鎧で軽減可能だけど、初期装備で鎧を着ているのはファイターのみ。それもスタディッド・レザーで、防御値は3。これはダメージを3点防ぐってことじゃなくて、3d6をロールして6の出目がでる毎に1ずつ減少。さらに出目1がでれば、その数だけアイテムダメージを受けるというもの。3d6で1ゾロだったら、即破壊という頼もしい存在。そのくせ、敵の防御値は6で、これは外皮なのでアイテムダメージ無効ってなんやねん。ああ、この理不尽さが、堪らなく楽しい!!
なんやかんやでミッションクリア。楽しいセッションでした。でも、まあ、昔のTPRGを遊んだから解る楽しさで、人を選ぶのは確定やろうね。キャンペーンとかで本格的に遊ぼうって感じではないけど、たまに触れたくなる類のシステムでした~
パスファインダー2版雑感:クラス編
パスファインダー2版の今度はクラスの話です。前回、パスファインダー2版はクラス間バランスが良いという私見を紹介しました。どのクラスも長所があり、上位互換というのを排除しようというコンセプトを強く感じるという話でした。ファイターは、他のタンク職よりも武器命中判定が2高く、1レベルから≪機会攻撃≫が可能です。でも、ファイター以外は選択する価値がないかといえば全然違います。例えば、同じタンク職のドワーフファイターとノームスワッシュバックラーが同じパーティにいたとして、ファイターが常に輝いているというとそんなことはありません。ファイターは、〈交渉〉の得意なスワッシュバックラーについて、シティアドベンチャーでも活躍できていいなと思ったり、戦闘中でも自分の1.5倍の移動速度や、自分の決定的成功時のダメージに匹敵する大技を羨ましいと思うかもしれません。かたや、スワッシュバックラーは、ファイターの安定した命中値や高いAC、盾を掲げたらついでに移動できるファイター特技を羨ましいと思うかもしれません。
クラスの説明の前にプレイヤーキャラクター(以下PCと表記)のデータの話をしましょう。PCのデータを構成する大きな要素として、種族、出自、来歴およびクラスがあります。種族は、背景世界の住人である人間やハーフリング等を指します。出自は、各種族のどの分類を選ぶかです。ドワーフで言えば、岩ドワーフや鍛冶ドワーフなどがおり、出自によってドワーフの基本能力に追加される特徴が異なります。また、全種族で選択可能な特殊な出自もあります。天界や地獄等の他の次元界の影響を受けたネフィリムや、バンパイアの血を引くダンピール等です。話が脱線しますが、本システムでは「レア」や「アンコモン」のリアリティの概念があり、ダンピール等は「アンコモン」、使用にはGMの許可がいる前提です。来歴は、「農夫」や「兵士」等、冒険者になるまでの人生経験を指します。これにクラスを組み合わせることで、PCのデータを構築していくわけです。
では、PCのデータについて軽くふれます。能力値、HP、AC、セーヴ、知覚、技能、クラスDCおよび特技で構成されます。能力値はD&Dと同じく6つ。【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】および【魅力】になります。HPは「種族HP+(クラスHP+【耐久力】)×レベル」で決定します。クラスHPですが、バーバリアンが12でウィザードが6等で、高レベルになるほど差が開きます。特技は、「クラス特技」のほかに、「種族特技」、「一般特技」および「技能特技」があります。「種族特技」は種族の能力を表し、例えばハーフリングは≪ハーフリングの幸運≫というダイス判定の振り直しができる種族特技を取得可能。種族特技には特定の出自じゃないと選択できないものがあります。「種族特技」は、PC作成時だけでなくレベルアップによって後4回取得可能です。「一般特技」は≪追加HP≫等、どのクラスでも便利な能力。3レベルで取得して、レベルアップによって後4回修得可能。「技能特技」は、取得した技能を強化する能力。例えば、〈軽業〉の技能特技である《猫の如き着地》は、落下距離を軽減できます。また、〈秘術〉の技能特技の《秘術感覚》のようにディテクト・マジックのキャントリップを使用できるようになるようなものもあります。得意な技能について、さらに特典を得るものが多いです。「技能特技」は偶数レベルになった際、取得できます。
これからリマスターのコアおよびコア2(D&DにおけるPHB)掲載クラスの紹介を行います。その前に特技等をピックアップしたかと言うと関連するクラスがあるからです。
いわゆる技能職のクラスで、ローグとインヴェスティゲーターが該当します。これらのクラスは、レベルアップ毎に技能の習得レベルが上がり、技能特技を1つ得ます。多彩な技能でパーティに貢献する以外に、ローグは罠解除能力や急所攻撃による火力が期待できます。ローグのやれることは幅広く、ローグのサブクラスで得意分野が分かれています。調査官であるインヴェスティゲーターは、シティアドベンチャーに特化したローグのようなクラスです。両クラスともパーティに必須とは言いませんが、いたら確実に頼りになるクラスです。
準技能クラスとしてアルケミストが挙げられます。こちらは消耗品の作成が得意なクラス。他のクラスでも関連する技能特技をとれば、消耗品アイテムの作成が可能ですが、消耗品をバンバン使用できるというわけではありません。アルケミストは、コストなしで一定数のアイテムが作成できるので、バンバン使用できます。サブクラスによって、治療薬や爆弾等の系統に得意分野が分かれます。また、主要能力値が【知力】のため、知識技能に強いのも頼りになります。
前回、タンククラスとしてファイター、チャンピオン、バーバリアンおよびスワッシュバックラーが挙げました。これ以外の物理アタッカークラスとして、モンクとレンジャーが挙げられます。両クラスとも前衛職ですが、敵を抑止する能力は弱くタンク役として劣ります。しかし、それを補う特殊な能力を持っています。武道家のモンクは、素手戦闘に特化したアタッカーで、長所は、驚異的な移動力と、「連打」のクラス能力です。「連打」は1回のアクションで、2回の近接攻撃ができるという優れもの(ただし、1ターンに1回のみで、複数攻撃ペナルティは通常通りです)。鎧未着用でもACが高いという能力は、「鎧なし防御」習得レベルが熟練である、つまり+2の鎧を着ているのと同じという形のデータになっています。ちなみにレザーアーマーのACが+1なので優秀です。モンクの方向性はどのようなクラス特技をとるかで決定します。特徴的なクラス特技は、≪虎拳≫等の構え特技。1アクションで構えをとったら、解除するまで特殊な素手攻撃と特殊効果を得ます(虎拳なら素手攻撃で1d8の[斬撃]ダメージを与え、10ftのステップが可能)。また、気呪文という焦点化呪文をクラス特技で選択可能。1~7レベルのキャンペーンでモンクのPCを使用したのですが、中ボスの術者を掴んだところ瞬間移動呪文で120ft先に逃亡されるも、仲間のヘイストの呪文と合わせて3回移動、その後に連打で倒すということがありました。条件が合えば、爆発的な活躍ができる玄人向けクラスと思います。レンジャーは、野外活動のプロであり手練れの狩人。モンクと同じく焦点化呪文をクラス特技で修得でき、武器を強化したり、自分の動物の相棒を治癒したりできます。そして、狩人らしさが溢れる能力が「獲物狙い」というクラスアクションです。複数回攻撃ペナルティの軽減や、追加ダメージなど、「獲物狙い」の不随効果をサブクラスで選択することができます。これとクラス特技の組み合わせで色々できます。例えば2レベルレンジャーは、たった1ターン中に「獲物狙い」、その敵に弓を2回連射、残りの1アクションで動物の相棒に接敵と攻撃をさせるというラッシュも可能です。
さて、残りのクラスは術者クラスになるので、前提の呪文ルールについて説明します。呪文の種別は、前述の焦点化呪文、キャントリップ、そしてスロットを使用する呪文の3つになります(儀式もありますが割愛します)。各呪文には呪文ランク(D&D5版の呪文レベルです)が設定されています。キャントリップは使用回数制限のない呪文。ライトやシールド、ガイダンス等の補助魔法もあれば、攻撃魔法もあります。有用で、スロットを温存させたい時に消極的に使用するものではありません。攻撃系キャントリップに関しては、単体火力ならスロット呪文に匹敵するものもあります。スロット呪文はスロット呪文で強力です。参加しているキャンペーンの経験では、敵を弱体化させるものや、味方の補助魔法が強力と思っています。10分間の儀式等で使用回数が回復する焦点化呪文は、およそ1戦闘に1回使用可能なデザインです。効果はスロット呪文に匹敵するものが多いです。
続いて呪文系統について。D&D5版で言うところの秘術魔法というやつです。本システムでは、秘術魔法、信仰魔法、始原魔法および伝承魔法の4つの呪文系統があります。秘術魔法(Arcane)は、回復系以外は充実しています。信仰魔法(Divine)は、回復系と防御系が充実。始原魔法(Primal)は癖が強いもののオールマイティ。伝承魔法(Occult)は、精神作用系統が充実しています。各呪文系統の呪文リストがあり、これは全クラス共通です。例えば、ドルイドの呪文リストと他の始原魔法術者の使える呪文は同じということです。クラス専門の呪文は、主に焦点化呪文になります。各呪文系統の基本クラスは、秘術魔法がウィザード、信仰魔法がクレリック、始原魔法がドルイド、そして伝承魔法がバードになります。
秘術魔法の基本クラスのウィザードは、呪文準備型(毎日、呪文書から当日使用できる呪文を用意する)。それだけでなく、秘術学派によって専用スロットや、焦点化呪文を得ることができます。魔法発動能力値は【知力】で、多彩の呪文だけなく、知識系技能でパーティをサポート可能。術者の王道といえば、本システムでもウィザードかなと思います。
信仰魔法の基本クラスのクレリックは、神格に仕える神官で、呪文準備型です。サブクラスとして、鎧に習熟していない術者タイプと、中装鎧に習熟した戦闘司祭タイプがあります。前者は、呪文に関する習熟レベルが早くあがり、領域呪文(焦点化呪文)を修得可能。後者は、鎧や武器攻撃の習熟レベルが上昇するものの、呪文は前者より得意ではないと一長一短です。クレリックの最大の特徴は「神泉」というクラス能力。使用できる最大ランクでヒール専用(邪神ならハーム)の呪文スロットを1レベルで4個もらえるというもの。1レベルの1ランク呪文のスロットは2個なので破格です。ヒールは、1アクション使用なら接触、2アクション使用なら遠隔単体、3アクション使用なら範囲複数のHPを回復する呪文。1レベルから20レベルまでずっとお世話になるイカシタ回復呪文です。さらに、クレリックのクラス特技でヒールの効果を強化可能。呪文回復役としてクレリックは非常に優秀です。まさにパーティの守護神。しかし、クレリックが必須かと言えば違います。まず、ヒールが優秀であり、この呪文は信仰魔法呪文リストと始原魔法呪文リストに載っています。また、伝承魔法には別の回復呪文がありますし、応急手当等の他の回復リソースもあります。クレリックがいなくても何とかなるのです。同じ信仰魔法の術者クラスとしてオラクルが挙げられます。オラクルの呪文発動能力値は、クレリックの【判断力】と異なり【魅力】です。呪文は、レパートリー型で柔軟性が欠けるもののスロット数はクレリックより多くなっています。オラクルは、1柱の神格に仕えていなく、もっと大きな概念から、祝福と呪いを受けた存在です。例えば、生命オラクルは、生命の神秘に関する技能や呪文、焦点化呪文そして特技を得、焦点化呪文を使うと、自分のHPが回復しづらくなる呪いを受けます。そして、専用特技によって1アクションで、30ft以内クリーチャーを4点(1レベル時)回復できる能力を得ます。これを使用すると呪いを受けますが、非常に強力。他にも攻撃に特化した嵐オラクル等、仕える神秘によって差別化されます。この呪いと祝福のギミックが楽しく、一回触りたくなります。
始原魔法の基本クラスはドルイドです。ドルイドは、レンジャーと同じく野外活動のエキスパートで、呪文発動能力値は【判断力】で、準備型術者です。所属する円環によって、獣に変身するタイプ、動物の相棒を得るタイプ、使い魔を得るタイプそして元素魔法に強いタイプに差別化されます。つまり、円環によって技能、クラス特技および焦点化呪文が決定します。呪文リストも、回復系や元素系攻撃呪文が充実しており、円環に加えて用意する呪文でやれることがガラリと変わります。動物の相棒で攻撃しつつ、回復魔法を充実させた野外ヒーラーや、範囲元素魔法を揃えた呪文アタッカーにもなれ、奥深いクラスです。野外活動メインのキャンペーンなら、とても頼りになること間違いなしです。
伝承魔法の基本クラスのバードは、呪文レパートリー型で、呪文発動能力値は【魅力】。D&D5版では、なんでも屋という側面や、歌による声援が特徴的。本システムのバードは、軽装鎧と軍用武器に習熟した軽戦士タイプであり、修得可能な技能数も多めで、なんでも屋という側面がばっちりあります。また、演奏呪文という焦点化呪文と、演奏キャントリップという、いわゆる呪歌を覚えます。コレジャス・アンセムというキャントリップは、この演奏を耳にした味方の命中判定とダメージにボーナスを与えるもの。+1の価値の高い本システムでは、大変ありがたい呪文です。毎ラウンド、1アクション必要になり、歌を継続するか、切り替えるか、別の行動をするかという判断があり、ここも楽しい部分です。また、バードは「詩神」というインスピレーションの源によって、差別化されます。パーティに居てくれたら頼りになるユニークなクラスです。
残り術者クラスのソーサラーとウイッチは、血脈や守護者によって使用可能な呪文系統が決定します。まず、ソーサラーを紹介しましょう。ソーサラーは、レパートリータイプの術者で、呪文発動能力値は【魅力】です。己の血が魔力源になっており、竜ソーサラーやエンジェルソーサラーのようにサブクラスに分かれます。そして、血脈によって、使用可能な呪文体系、技能、追加呪文および血脈呪文(焦点化呪文)を得ます。例えば、1レベルのデヴィルソーサラーは、信仰魔法体系を扱え、〈宗教〉および〈ペテン〉の技能を修得、キャントリップのイグニッションと1ランク魔法のチャームをレパートリーに加えます。これらの呪文は信仰呪文のリストにはなく、血脈では他の体系の呪文を使えることもあるのがメリットです。また、ダイアボリック・イーディクトという焦点化呪文を得ます。血脈により呪文を発動したら、「炎の舌」という得点を得て、〈ペテン〉判定にボーナスを得たりします。血脈呪文のギミックだけでなく、ソーサラーはスロット呪文の効果をランク数だけ強化するという能力もあります。5ランクスロットで発動したファイヤーボールは、ダメージが+5追加され、地味に強力です。最後に紹介するクラスのウィッチは、呪文準備型術者で、呪文発動能力値は【知力】です。D&D5版のウォーロックのように守護者から力を与えられていますが、その力は使い魔を通じてになります。ウィッチは、選択した守護者によって呪文体系、技能、呪術キャントリップ(特殊なキャントリップ)そして使い魔を得ます。例えば、「雪中の静寂」という守護者に選ばれた雪の魔女を作成したとします。呪文系統は始原魔法で、〈自然〉を修得し、クリンギング・アイスという呪術キャントリップを得ます。使い魔はガスト・オヴ・ウィンドを覚え、ウイッチが呪術を使った際、周りを凍らせ移動困難地形にするという能力を持ちます。ウイッチは、2レベルから訓戒というものをクラス特技で修得します。これは「報復の訓戒」という感じに数種類あり、関連する新たな呪術と使い魔に呪文を覚えさせるものです。ソーサラーやオラクルのよりも、呪文を使った際のギミックは弱いですが、仕える守護者と選択する訓戒によってバリエーションがでて楽しいクラスです。
以上がクラス紹介です。ファイターとクレリック、ローグ、ウィザードのパーティは手堅いですが、バーバリアン、レンジャー、アルケミストとバードみたいな構成でも全然何とかなります。同じクラスでもバリエーションが多いと、他のクラスとの連携を考えるのも楽しいです。例えば、友人がバードやるのが決定していたら自分は手数の多いレンジャーやろうか等ですね。それに、背景世界や種族の組み合わせを考えると、自分だけの英雄を生み出そうとルールブックの海にダイブすることになるのです!
パスファインダー2版は未訳ですが、有志の方が翻訳をウェブサイトにアップしてくれています。現時点でコア1は終わり、コア2の訳が続々アップされています。興味のある方は、ぜひご覧になってください。
パスファインダー2版雑感:ルール編
久々の更新になりますが、TRPGはずっと続けています。昨年も色々なシステムで遊びましたが、個人的にはパスファインダー2版の比重が大きかったです。
本システムの前身は、和訳版も出版されたパスファインダー1版です。D&Dが4版に移行した2009年に発売され、デザイナーはD&D3版系を手掛けた方々。システム面でも3版の派生という感じでした。2019年には2版が発売されました。D20システムなのは変わりないですが、3版系列を引き継いだ初版とも、D&D4版や5版とも異なる体系の内容でした。プレイする機会がなかなかなく、2021年に初プレイ。それから1レベルから7レベルのキャンペーンを遊ばしてもらい、現在11レベルから20レベルのキャンペーンに参加しています。かなり自分の好みにあったシステムだったため、自分も単発シナリオのマスターに挑戦し、去年はDAC大阪とDAC東京でパスファインダー2版のGMで参加させてもらいました。
なお、パスファインダー2版は2023年にマイナーチェンジしたリマスター版に移行しました。これはD&Dの販売元のウィザーズコーストがオープンゲームライセンスを引っこめようとした騒動があった際のPaizo社の対応によるものです。Paizo社でオープンゲームライセンスを打ち出すため、D&D系のゲーム用語を廃す必要があった模様。また、データの微調整もされています。
今回は、2年程度ですが、本システムを触った雑感を紹介します。
パスファインダー2版は、アメリカのデータマニアと設定オタクが作ったスルメゲーと評価しています。設定についてはまだまだ把握できていないことだらけですが、オタクの好きそうな要素をごった煮しつつも整合性をつけ、かつ、ひねりを入れていくという感じでアメリカンゲームファンタジーの頂点の一つと個人的に思っています。パラディンの王が治める平和な国みたいなストレートにはならず、宇宙船の遺跡から発掘したハイテク装備を身に着けた蛮族集団とか、癖の強い設定が多くて楽しいです。
システムについては、データゲーなんですが、遊びやすくまとめている点、バリエーションを多くしてもクラス間格差をなくそうとすごく調整している点が、データマニアが練り練ったシステムと思っています。
私のシステムの好みですが、下記の通りです。
・ルール骨子はシンプル。
・戦闘が楽しい。
・データ構築が楽しい。
・クラス間のバランスがよい。
・PCの役割分担があり連携が大切。
これって色々矛盾していますよね。バランスをよくするというのは、PC間の差異をなくすことが一番の早道ですが、こうすると色々なデータを選択する、つまりデータ構築の楽しみがなくなっていきます。AとBは違うけど、同じくらい価値があるパターンをたくさん作り、組み合わせの劇的反応をなくす。そして、かつ、ルール自体はシンプルにっていうのは、ある意味、無茶ぶりです。
この目標に向かって、素晴らしいデータ構築センスによって、高いレベルでまとまっているなと思うのが、パスファインダー2版です。
どういうシステムか、一つずつ見ていきましょう。
まず、戦闘が面白いシステムというのは、ダイスロールが楽しい、つまり博打要素がありつつ、多彩な戦略がとれるという大前提に、でも選択肢にそこまで迷わなくてよいというのが追加されれば最高という解釈です。
本システムの判定のダイスロールですが、難易度に対して「1d20+ボーナス」で判定するというお馴染みのものです。しかし、特徴的なのは難易度を10以上超えれば大成功、10以下で失敗すれば大失敗になるということです。6以上で攻撃が命中する状態なら、5以下をロールして失敗しないという以外に、16以上でクリティカル・ヒットにするという期待感が生まれます。セーヴで15以上をロールしないと成功しない場合は、大失敗の可能性が25%もあり、ダイスロールに緊張感が生まれます。そして、当然、+1ボーナスや、-1ペナルティの価値が高まる。ただ、このルールだと、1レベルPCのACが20のもいれば、13のもいるなんてなれば、バランスが相当厳しくなります(これについては後述します)。
戦闘時は、多彩な戦略がとれるけどシンプルなのが理想です。本ルールでは、各キャラクターの自ターンに3アクションとれます。例えば、移動して、敵に近接攻撃して、盾を掲げる(防御行動)という感じです。移動、移動、近接攻撃とか、近接攻撃を3回行うことも可能です。よくできたもので、攻撃アクションは同ターンで回数を重ねる毎にペナルティを受けます。基本、2回目が-5、3回目が-10です。ルールのこの部分だけでも、選択の幅が多いことがわかります。移動を2回して攻撃にボーナスが得られる挟撃位置まで行ってから近接攻撃か、それとも移動して近接攻撃2回するか、いやいや防御も大切なので盾をかかげるか? また、連続アクションといってアクションを複数使うものがあります。呪文はだいたい2アクション必要で、強力なものは3アクション必要です。また、クラス能力等で様々なアクションが追加されます。例えば、ファイターは「急突撃」というアクションを覚えることが可能で、これはアクションを2つ使って、移動2回と近接攻撃を行えるものです。こう説明すると、選択肢が多くて難しい印象を持たれると思います。しかし、実際何回か遊んでみると、各PCの得意な選択ってある程度パターン化されている場合が多いことに気づきます。例えば、急所攻撃が強力なローグは、急所攻撃の条件を満たす行動を行ってから攻撃とか。一番選択肢が多いのは術者ですが、戦闘序盤はスロットを使用した大技を使い、中盤以降は移動で有利な位置取りをしつつキャントリップで攻撃とかです。ただし、危機的状況を打破する等の要所で、アクションの組み合わせを色々考える余地もある。個人的には、複雑すぎず、いい塩梅と感じています。
次はデータ構築とバランスについて。データ構築が楽しいのは、自分のキャラクターを他と差別化できるためですが、クラス間のバランスをよくするためには、その差を絶対的なものにしてはなりません。例えば、基本クラスのファイターが強すぎて他の前衛クラスを選ぶ理由を狭めてもいけませんし、逆にファイターの上位互換クラスがあっても困るわけです。バランスの良い格闘ゲームのように、全員が対空技を持っているとか基礎的な部分はクリアしつつ、各々が強い個性をもっていて触ってみたいと思えるようなものが理想です。
本システムではどうでしょうか? ロールの結果が、難易度と10差以上あれば大成功か大失敗すると紹介しました。このため、PC間の防御値に差がありすぎると、低いPCに対する攻撃は、大成功が連発する危険性があります。本システムは、防御値についてはそこまで差がでないようになっています。各PCの基本スペックが高めになっており、これは習熟ルールによるものです。本システムの肝の一つが、このルールと思っています。未習熟の際の基礎値が「対応能力値」、習熟している場合は「対応能力値+習熟ボーナス」となります(なお、能力値は、1レベルでは-1から4までの値をとります。D&D5版で言えば能力値ボーナスです)。「修得」時の習熟ボーナスは、「2+レベル」になります。各クラスは、特定の武器、特定の鎧、すべてのセーヴ、知覚、クラスDCおよび特定の技能に習熟しています。呪文使いのクラスは、呪文攻撃と呪文DCにも習熟しています。特定の武器や鎧というのは、単純武器やら軽装鎧等を指します。攻撃ボーナスとACにレベルが加算されるというのが特徴の1つで、レベル差が強いシステムになっています。そして、習熟ボーナスにはレベルがあります。「修得」、「熟練」、「達人」と「伝説」の4段階あり、レベル毎に+2ずつ上昇します。つまり、「熟練」になれば「4+レベル」です。セーヴは「頑健」、「反応」および「意思」の3種類ありますが、1レベル時でも得意なのは「熟練」で習熟しています。各クラスの得意分野については、この習熟レベルが上がることで差別化しています。例えば、バーバリンもバードも1レベル時に軍用武器に「修得」していますが、バーバリアンが5レベルで「熟練」になるのに対して、バードは11レベルです。技能のみ、基本的に習熟レベルが偶数レベルで1つずつアップしていきます。未収得との差が大きくなりますが、〈運動〉の組み付き等の相手に対する技能判定については、相手の技能で目標値を決めるのではなく、セーヴを使用します。セーヴは全員習熟しているので、ここもよくできていると思います。
この習熟ルールによって、クラスの得意分野を出しているわけです。餅は餅屋ですね。では、餅屋同士でのクラスの差別化はどうでしょう? フレーバーではなく、そのクラス間でも得意分野等を設けることで差別化しています。タンクタイプ(パーティの壁になる近接武器戦闘クラス)のクラスを例にあげましょう。基本職はファイターです。ファイターは武器戦闘のエリートで、1レベル時での、単純武器、軍用武器および素手攻撃の習熟レベルは「熟練」です。これの習熟が「伝説」レベルまで成長できるのはファイターのみ。また、クラス特徴として「機会攻撃」を覚えます。D&D5版と異なり、本システムで「機会攻撃」を行えるのは近接戦闘エリートのみです。各クラスは1レベルと偶数レベル毎にクラス特技を習得します。ファイターはこのクラス特技によって、2刀流や盾持ちなどの差別化を図っていけます。ファイターは優秀なクラスですが、他のタンクタイプのクラスはどのような魅力があるのでしょうか? 他のクラスとしては、チャンピオン、バーバリアンおよびスワッシュバックラーが挙げられます。これらのクラスは、攻撃の習熟レベルは「修得」スタートで、「機会攻撃」は6レベルのクラス特技として取得可能です。神の戦士であるチャンピオンはいわゆるパラディンです。ファイターよりタンクタイプに特化した性能をもった、パーティの守護者です。重装鎧の習熟レベルが「伝説」まで成長するのはパラディンのみ。また、自分の周りにオーラを展開しており、リアクションを使用して味方のダメージを軽減させる能力を1レベルから修得しています。本システムはHP回復に大体リソースが必要になるのですが、条件があるとはいえ毎ラウンド、ダメージ軽減が可能。また、呪文スロットによる信仰呪文は使えませんが、焦点化呪文という呪文を使用可能。レイ・オン・ハンド等が該当して、焦点化呪文は10分間の祈祷で使用回数を回復できます。バーバリアンおよびスワッシュバックラーは、機動力にすぐれた軽装戦士で、両クラスとも自己強化により大火力が期待できます。バーバリアンの自己強化は激怒で、D&D5版と異なり回数制限はありません。バーバリアン自体、動物バーバリアンや巨人バーバリアン等のサブクラスがあり、例えば竜のバーバリアンは6レベルでブレスを吐くクラス特技を習得可能。粋な軽戦士スワッシュバックラーは、己が格好良さをアピールする行動、機智に富んだ台詞で相手を煙に巻いたり、軽業を決めたりすると、強化状態になります。バーバリアンの激怒のようにお手軽ではないですが、何と言ってもロールプレイ面でも魅力的。ワッシュバックラーらしく、「映え」がクラス根幹ってのが面白いです。本システムでは、専念特技と言うマルチクラスルールがあります。これはクラス特技の代わりに取るもので、これによって他のクラスの長所を限定的に得ることができます。例えば、ファイターは2レベル以降に〈バーバリアン専念〉という専念特技をとれます。これにより、技能に1つ修得でき、劣化版の激怒を使用できるようになります。あくまで劣化版であり、本職バーバリアンのようにレベルアップと共に性能がアップしません。しかし、まったくとる価値がないというわけでも全然なく、特技1つでファイターの弱点の技能面の弱さを補いつつ、追加ダメージを見込めます。マルチクラスのルールは、良いとこどりの危険をはらみますが、先述の習熟ルールも相まって圧倒的に強力なデータにならない工夫がされています。
このようにパスファインダー2版のルールは練りこまれていると感心することしきりなわけです。長文になりましたが、まだまだ書きたいことがあります。次はクラス紹介をしたいと思います。
TORGエタニティ シナリオ作成のコツ
ども、久々の更新です。
先週、哲郎さんが主催されるTORGエタニティのオンリーコンベンションに参加させてもらいました。デイ・ワンのアイルシナリオが2卓たち、半数以上が初心者の方でした。初心者の方たちの受けがよく、当日にデイワンシナリオを買いいかれたとのこと。凄いですね!
公式シナリオで和訳されているのはデイ・ワンだけになります。
デイワン以外に遊ぼうと思ったら、公式シナリオを和訳するか自作する必要があります。
今回は自作シナリオのコツを紹介します。もっとも、自己流のやり方なので参考までに。
いや、本当にシナリオメイキングは、各自のプレイスタイルやら経験やら、センスに左右されるものと思っています。
そこら辺も丁寧にひも解いてやろうと思います。
自分のスタイルですが、ノリ(笑い)重視とシステム寄りです。美しいストーリーや格好良いロールプレイよりも、セッション中の笑いを重視。システム寄りというのは、データを駆使して遊ぶタイプだけど、ルール解釈ガチガチよりも場のノリを重視することもある感じ。TORGエタニティで言えば、ノリ重視でよいロールプレイにポシビリティをガンガン与えるというマスタリングはしませんが、面白い提案とかはルール多少曲げても対応するし、複雑な処理はセッションの進行度などを見て簡略化したりする感じです。世界設定の活用に関しては、重要なポイントは抑えつつ、自分なりの解釈を加えて、俺ワールドを展開させる傾向が強いですね。
シナリオを作る際、核を1つ決めます。核とは「演出したいシーン」などですが、自分の場合、大体がネタ(ギャグ)です。TORGの世界はリアリティごちゃまぜの世界なので、混沌としたシチュエーションが生まれやすいです。サイバー教皇領に支配されたブラジル。バイキング拳法家のギャングとサイバー異端審問官の戦いに、ティラノサウルスのゾンビを連れた復讐者が! この三つ巴の戦いに、ストームナイトが割って入るみたいな、妄言じみたシチュエーションもできちゃうんですね。
まず、「なんやこれ!」って仕掛けを考えます。ちなみに自分の場合、身内セッションを想定して作ることが多く、およそアラフォー世代以上のおっさん友達が想定プレイヤーになりますのでご留意を。ファンタジーで鉄板のネタ、ドラゴン。ただ、ドラゴン自体に色々なニュアンスが含まれています。「燃えよドラゴン・スレイヤー!」というシナリオ名を思いつきました。カンフー映画の巨頭ブルー・スリーの「燃えよドラゴン」のパロディですね。ファンタジー世界のアイルでドラゴン退治を依頼されたストームナイトが、最終的に「ドラゴン」――凄腕の武道家と戦うというシナリオはありですね。ただ、シナリオ途中で武道家を匂わしたら、勘の良いプレイヤーならオチを読むことが想定できます。もう一捻りってことで、ラスボスは武道家のドラゴンに決定。「ドラゴンのドラゴンかい~」ってね。拳法を使うドラゴンなら、アメコミ世界のリアリティであるナイル帝国のパルプ・ドラゴンですね。舞台はアイル、パンパシフィカの干渉から拳法家のドラゴンを匂わせて、オチはパルプ・ドラゴン。流れはできました。後は肉付けです。
導入はアイルでデルファイ評議会からドラゴン退治の依頼を受けるで決定。で、ドラゴン退治なので、かれこれこういうドラゴンが居て、こういう被害がでているという形になるのが普通です。ただ、オチの関係ネタバレできません。そこで、ロンドンにドラゴンが襲撃するらしいという予言を受けたということにします。ファンタジー世界のアイルなら予言(呪文や奇跡)は軽いものではないけど、不確定な話なので駆け出しストームナイトに真偽を確かめるための指令が下ったみたいな形にできます。次にパンパシフィカとカンフー・ドラゴンの関与。何故、ロンドンにいるのかという動機付けです。武道に関する宝を狙ってっていうのが妥当でしょうね。パンパシフィカのエタニティーシャードってのが妥当でしょうが、捻りがない。カンフー・ドラゴンが欲しがりそうなものとして、カンフー映画集を秘伝書と勘違いしているというのはありがちかも。秘伝書の正体がパンパシフィカ製のメモリスティックってのも意外性があるかも。いや、いっそのことコアアースのカルト的人気のカンフー映画DVD集がハードポイント化したものの方がそれっぽいかも。パンパシフィカも欲しがるだろうし。舞台は英国なので、香港がらみはありそう。そこで、香港のカンフー・スターの香港返還記念に作成されたDVD集などどうだろう。シナリオ中に名前をそのまま出すのはあれなので、ジャック・チェンにして。で、ここまで考えたら導入の予言も「『ジャックの鎖の書』を求めてドラゴン、ロンドンに来襲す」という形にできますね。『ジャック・チェン大全』というコアアースのDVD名前をアイルリアリティで解釈したら、こんな感じでしょうか。ジャックは人名と判定できるとして、チェンはチェーン(鎖)と誤解みたいな。5枚組DVDを「書から5つの光の輪が見えます」とかにすれば、「五輪の書」とのミスリードもあっていい感じですね。ちなみに、ここら辺のネタの連鎖は一発ででるものでもなく、数日あーだこーだ考えて、練っていく感じです。
肉付けは完成。次にシステム的にどうするか、落とし込んでいきます。1アクトのシナリオとして、戦闘2回、ドラマチックな問題解決1回、ラストバトルの構成にします。1回目はパンパシフィカ勢力との接触。アイルでよくいる敵(ラーク)などが、日本人サラリーマンを襲っているところをストームナイトが助ける。彼らは骨董品を求めてアイルに来た商社マンとします。次に、『ジャックの鎖の書』についての調査。ドラマチックな問題解決にします。最終的にそのような骨董品を扱っているコアアースのブローカーがチャイナタウンにいるとします。その店ではスマートフォンがつながるとかすると、目的の書がハードポイントではないかという情報の小出しにもなりますね。ようやく見つけたブローカーは、すでに死体。眉間に手裏剣が刺さっており「何で、ニンジャ?!」展開。『ジャックの鎖の書』を追って、ニンジャたちと戦闘。勝利後、『ジャック・チェン大全』のネタバレがあり、そこにドラゴンが来襲し、ラストバトル。この程度までラフに組みます。TORGエタニティでは、カードの効果で色々ハプニングが起きます。ラフに作って色々調整できるようにした方が回しやすいですね。NPCもかっちり作るより、役割と属性を決める程度でもよいです。NPCと恋に落ちるロマンスカードがあるため、性別もPCに性別に合わせて調整します。で、ロマンスカードを引いたPCの好みに合わせのもグッド。ネームドニンジャだったら、実は男装していたセクシーくのいちだったとか、女装していた美少年サイキックニンジャとか、無理やりNPC性別を変更するのもTORGではありと思っています。流れもPCたちの食いつきによって調整しましょう。ブローカーの受けがよければ、生存していてよいし、ニンジャを改心させたければ、そうさせて、ヌケニン絶対殺すマン上司がでてきて共に倒すなんかでもよいです。もっと言えば、シナリオ自体のメインフローも受けが悪そうで、よりPCに受けていることがあれば、それにシフトさせることもありかと。
敵のデータですが、ピッタリのデータがない場合がほとんどです。ですので、基本ルールに乗っているエネミーデータを流用し、カスタマイズしましょう。ラスボスのカンフー・ドラゴンはドラゴンのデータそのままでは強すぎるので、サイバー教皇領のガーゴイルをベースに魔法能力をパルプパワーに変えてカスタマイズとか。ニンジャは、ネームドはPC作成ルール使い中ボス程度に成長させるとかですね。TORGエタニティはデータカスタマイズが簡単な方なので、近接タイプ雑魚や術者タイプ中ボスなどの各レルムのテンプレートを乗っけるだけでそれっぽくできますよ。
最期、シナリオのPCデータについて。ストーリーをPLではなくてPCにも理解してもらえるのが望ましいですね。プレロールドPCを用意するのが一つの手。舞台になるアイル出身者は欲しいですね。後、(知性がそれなりに高い)コアアース人がいれば大体のシチュエーションの解説役になれます。今回のシナリオではパンパシフィカ出身がいればスムーズですね。パンパシフィカのエレトリックサムライ、アイルの魔術師、コアアースの宗教家、4人目は自由枠とかでしょうか。キャラメイクしてもらう場合は、推奨コズムを打ち出したりします。今回のケースでは、「必須:火力役(ダメージ基本値、耐久力、共に13以上)。推奨レルム:アイル、パンパシフィカ、コアアース。推奨:魔法使い」みたいな感じでしょうか。
とりあえず、自分流のシナリオ作成術の紹介でした。前述しましたが、やり方は個人的なものなので参考程度にしかならないと思います。まずは、やってみるのが大切かと。TORGエタニティは、システムでストーリーテリングを補助してくれる部分が大きいです。どこかのレルムで悪漢に追いかけられている少女を出し、戦闘、ドラマチックな問題解決、ラストバトル等の王道パターンでも、カードによるイベントとか入るので、ユニークなセッションになりがちです。カードのなどの内容をどうアドリブするかについては、経験とセンスによるところが大きいかなと思います。
参考になりましたら幸いです。
トーグエタニティ日本語発売! キャラメイクのコツについて
ご無沙汰です。康次郎です。
3年ぶりのブログ更新になります。
コロナの影響で、オフラインセッションをやる機会はめっきり減りましたが、主にオンラインセッションでTRPGライフを楽しんでいます。
今回のお題は、2018年1月18日の日記で紹介したTORGエタニティです。本国ではキックスタートが7回行われまして、オーロシュまでのサプリメントが完了、残すコズムはパンパシフィカのみとなりました。
そしてなにより新紀元社から日本語版ルールブックが、7/20に発売! これで遊ぶハードルが相当下がりました!
ただ、旧版の基本ルールブックに掲載されていたアーキタイプ(サンプルPC)が今回は掲載されていません。これは、原書もアーキタイプはマスタースクリーンに付属で基本ルールにはついていないのですね。
そこで、今回はキャラメイクのコツと、自作PCを何体か紹介しようと思います。
キャラメイクのコツ:初めに
トーグエタニティは、20回以上プレイしていますが、パーティに役割分担があり、PCたちの連携が大事なシステムだと思っています。例えば、強敵を倒す場合、対人行動が得意なPCが弱体化を行い、補助が得意なPCが支援をし、火力PCが連携による一撃を叩き込むというのが、王道パターンになります。今回の日記はこれを念頭に紹介を行います。
ただ、前提として私がデータ重視のパワープレイ傾向が強めということを留意してください。具体的には、4人パーティに対する中ボスとの戦闘では、中ボスはもちろんリアリティ能力者、とりまきの雑魚が8体程度はだす感じです。また、特に理由がない限り、後衛PCも攻撃対象に含めます。
後、ゲームバランス的な観点では、カード運用が重要なシステムになっています。プレイヤーのカード運用の上手さ、また、PCの人数で、だいぶんバランスが変わります。3人パーティならカード回しがきつくて、「偉業」も達成しにくい。逆に6人パーティなら、強力なカードがPC達の手札にある確率が多くなるので、頭数以上にPC有利になる感じです。PC人数多いなら相当尖ったコンセプトのPCもありかなと思います。
キャラメイクのコツ:能力値とタイプ
トーグエタニティの能力値は《魅力》、《機敏》、《知性》、《精神》および《体力》の5種類です。1つの能力値の特化型キャラクターは強力です。《体力》以外の能力値は、それぞれ対人行動の技能と対応しています。対人行動でプレイヤーズコールまでいけば、その敵の手番を無効化できるのは、とても強力。そして、敵も得手不得手があるので、各対人行動のエキスパートがパーティに揃っているのが理想です。しかし、能力値はポイント制なので1つの能力値を高くしようとすれば、他の能力値を下げる必要があり特化型はなかなか難しいのですよ。トーグエタニティのシステムバランスの素晴らしいところは、どの能力値も重要という点。能力値配分は頭を悩ます面白い部分です。実際、キャンペーン用にアイルの魔法使いを作成した際、《機敏》を1下げて、《知性》を1上げるべきかを半日くらい悩んでいました。
なぜ、悩むのか。各能力値についてシステム面での見解をば。
・7以上は欲しい能力値:《精神》、《体力》
まず、耐久値に直結する《体力》です。モブ敵でもダメージ基本値が10程度。他のPCには1~2ショックで済むダメージでも、鎧を着ていない《体力》5のPCは1負傷を負うことになります。打たれ弱さに直結する《体力》は、よほど高性能の鎧を着るとかでなければ、6以下にしないほうが無難です。
次に《精神》。ショックダメージの総量は《精神》で決まります。また、ダメージ吸収やリンク回復に使用する〈リアリティ〉のベース能力値でもあります。こちらも低くしない方が無難と思います。
・低いと被弾率があがる能力値:《機敏》
耐久値以外の防御値は《機敏》がベースになります。低すぎると被弾しやすくなりますし、敵の攻撃の成功レベルが高ければ高ダメージを受けるリスクも増えます。後衛型PCでもそこそこは必要かと。また、多くの戦闘系スキルのベースになっているので、前衛型PCは高い方が望ましいです。ただ、鎧に《機敏》上限があるので、重装タイプはそこまで優先度は高くないです。
・技能に重要な能力値:《知性》、《魅力》
もっとも多くの技能のベースになっているのが《知性》。知識系だけでなく、〈発見〉や〈手がかり分析〉、〈追跡〉などアドベンチャーパートで重宝する知覚系技能も網羅しています。次に《魅力》。これまた、交渉系で重宝する〈説得〉などのベースです。
トーグエタニティは、正義の味方のストームナイトの活躍を描くドラマチック志向のシステムです。全員、これらが低い脳筋パーティというのは困りものです。
能力値についての見解が済んだので、次は能力値配分のパターンを紹介します。
・特化型
11以上の能力値を1つ作るパターンです。技能と「特典」もその能力値に合わせて集中させるのが強いですね。トーグエタニティは、物理火力で敵を倒す火力型ビルドのPCが不可欠です。これは《体力》集中型がが相性よいですね。耐久値も高くなり、近接武器のダメージ基本値も上がりますし。
・集中型
10の能力値を2つ作るパターンです。コンセプト的に2つの能力値が必要な場合、これぐらいの配分に落ち着きます。《体力》《機敏》型の前衛型や、《知性》《精神》型の魔法使いなどですね。
・バランス型
能力値を7~9の範囲で納めるタイプ。どんなこともそれなりにできるというのは、十分有用なのですね。《知力》特化型PCであっても、常に〈知覚〉を成功するわけでもない。こういう時にフォロー可能な仲間がいるとありがたいものです。
また、支援型の「特典」を比較的活かしやすいのも、このタイプだと思います。
キャラメイクのコツ:出身コズム
キャラコンセプトで大きなウェイトを占めるのが出身コズムです。ロールプレイ指針としてどこまでやるかはプレイグループやプレイヤーの解釈によりますが、出身コズムのロールプレイへの影響は大きいと思っています。
例えば、原始と奇跡の世界リビングランドは、青銅器文明程度の技術しかなく、部族社会がベースです。株式会社みたいな概念を理解するのは矛盾になります。
ただ、多種の価値観ごっちゃ混ぜの世界観がトーグエタニティの大きな魅力でしょう。例えば、アイドルのコンサート。リビングランドのエディーノスは「宗教儀式?」と思い、ゴシックホラー世界のオーロシュのヴィクトリア人貴族は「オペラと思ったが、あの娘の服装は何だ。ジプシーの踊り子なのか?」など辛辣なコメントを、テクノデーモンが支配する闘争社会から来たサーコルドのレジスタンス兵士は「これは集団軍事訓練? いや、噂に聞いた慰安会というものか??」とデ・カルチャーを感じる。こういうロールプレイは楽しいですね。
パーティに複数のコズム出身者がいた方が、楽しいと思います。また、キャラ被りも少なくなりますしね。
ただ、例えばパンパシフィカで金輪産業の悪行を暴こうとするハッカー集団を援助する場合。参加PCが、ハッキングという概念を基本的に理解できないアイルとオーロシュ、ナイル帝国のコズム出身者の場合、シナリオ進行が難しくなるのが想定されます。
シナリオの舞台になるコズム出身者がいると、そのコズムの常識を紹介しやすくシナリオ進行の助けになります。または、コアアース出身者だと、基本的に地球が舞台なので、どの占領エリアでもNPCとコンタクトしやすいかなと思います。
キャラメイクのコツ:技能と特典
技能と「特典」は、PCができることを大きく定めます。装備や「特典」は、出身コズムで制限を受ける場合があるので、この「特典」を選びたいのでこのコズム出身になるという考えもありますね。
「特典」の解説をすると長くなるので、今回は省きます。ただ、魔法と奇跡、超能力を使用可能にする「特典」は、PCの行動の幅を広げますね。参照するルールは増えますが、旧版よりずっとずっとシンプルになっていますよ。
キャラメイク例
キャラメイクのコツの実践として、例を4つ挙げますね。
コアアースの毒舌聖職者
能力値:魅力9、機敏7、知性8、精神9、体力7
技能:応急手当1、回避2、格闘1、コンピューター1、信教3、説得2、挑発3、投擲武器1、発見1、リアリティ1
特典:人徳、奇跡/スーズ、ブレス、ワード・エネミー
装備:ケブラー防弾ベスト、マルチツール、モバイルフォン、火炎瓶×4、聖印
背景:聖職者の家に産まれたが、両親に反発し嵐のような思春期を過ごした。しかし、親の愛に気づき、社会に役立つ人間になろうと誓った。社会にでて直ぐ、世界に最悪な嵐が吹き荒れた。リアリティ能力者として目覚めたのは福音だ。世界を正すため、この力を使う。
コンセプト:バランス型の何でも屋ですが、特に挑発とサポートが得意です。
ナイル帝国のタンクヒーロー
能力値:魅力6、機敏8、知性6、精神8、体力12/14
技能:威嚇1、回避3、格闘1、錠前破り1、説得1、地乗車操縦1、発見1、白兵戦3、間合い2、リアリティ2
特典:警護、スーパー能力値(体力)/大制約 スタンダードシーンでは働かない
装備:タンクエンブレム(「重胸甲」相当)、タンクハンマー(「ウォーハンマー」相当)、ヒーリングポーション
背景:無辜の民を護りたい。この強い想いが人を変える。村を襲うナイル帝国の戦車を鉄パイプでスクラップにした時、不屈の盾たるタンクヒーローが誕生した。街の整備工たちが戦車の残骸から鎧と武器を作ってくれた。装備も万全、後はドクターメビウスに鉄槌を下すだけだ!
コンセプト:味方を庇うことも可能な近接パワーファイターです。
元ナードのアイルの魔法使い
能力値:魅力6、機敏7、知性12、精神8、体力7
技能:応急手当1、回避1、感知魔法3、手がかり分析1、トリック1、追跡2、白兵戦1、発見1、変成魔法3、リアリティ2
特典:状況認識、スペルキャスター/スタン、ディミニッシュ、パスファインダー
装備:エルヴンチェイン、ダガー、呪文詠唱用薬品セット、バックパック
背景:大学を卒業後も定職に就かず引き籠っていたが、世界が一変してしまった。長年蓄えた知識は、魔術の知識として再構築された。いいだろう。この世界の危機を何とかしてやる。そして、平和が訪れたら大賢者として隠遁するのだ。
コンセプト:パーティに一人は欲しい高知性キャラクターです。そして〈知性〉と相性がよいのが魔法です。未訳のアイルのサプリメントは、魔法の追加データが多く、拡張性も高いです。
サイバー教皇領のサイバー斥候
能力値:魅力6、機敏10、知性7、精神7、体力10
技能:回避2、隠れ身2、コンピューター1、銃器戦闘1、追跡1、発見2、白兵戦3、間合い2、リアリティ2
特典:旋風、サイバーウェア移植/ハードプラスアーム、ハードプラスライフロック、ベルビュー20-20サイバーアイ
装備:ロングソード、リフレクト・アーマー、GWIゴットミーター、弾薬帯
背景:アイルのハイロードのユーソリオン配下斥候だったが、深い霧に迷ってしまい気が付けば酷い嵐に巻き込まれ、終いにはサイバー教皇領のリアリティに変身してしまっていた。サイバーアイのお陰で物事がはっきり見えるようになり、ユーソリオンやマルローの悪事も知ってしまった。糞くらえ! 落とし前をつけさせてやる。
コンセプト:軽戦士タイプの前衛キャラです。モブ敵の排除や、〈間合い〉による敵の弱体化が得意です。
キャラメイクについて思うところをまとめてみました。あくまで自分のプレイスタイルにあったものなので、参考までに。
トーグエタニティは大変面白いシステムです。独特なのでとっつきにくい部分もあると思いますが、ルールは整理されています。まずはやってみることをお勧めしますよ!
濁世を生き延びろ! 新作ウォーハンマー4版!
ご無沙汰です。康次郎です。
今回はウォーハンマー4版です。発売元は cubicle7 。D&D5版の指輪物語モジュールなどを出している会社ですぜ!
http://cubicle7.co.uk/our-games/warhammer-fantasy-roleplay/
とりあえず、ざくっとポイントだけ訳して遊んでみました。
感触で言えば、今風になった初版。初版がイギリスで発売されたのが1985年。30年以上も昔になります。このころは、ウォーハンマーのミニチュアゲームも世界観が固まっていなかった時期。TRPG用に泥臭くてリアルかつパンクな中世ファンタジー世界が作られたのと思います。その後、ウォーハンマーのミニチュアゲームは、ヨーロッパやアメリカで大ブームになり、世界観が固まっていきます。
2005年に出された第2版は、システム的には初版を当時大人気だったD20システム風に再構築したものと思っています。世界観は初版とミニチュアゲームの折衷という感じ。ミニチュアのヒーロー達ととは異なる、一般人の物語という形で区分したのですね。
2009年のFFG社から出された3版は未調整の失敗作だっと思っています。クリスマス商戦に出された大作。しかし、コンテンツ(カード等)を売りたいという経営戦略のもと、別々のアイディアを混ぜ合わせ、不完全のままウォーハンマーの看板で発売させたと印象です。まあ、年末や決算期で発売されるキャラゲーと似た流れですかね。3版のシステム部分は、洗練されてスターウォーズのTRPGで活用されています。ウォーハンマーの世界観に併せて作られたシステムではないのでしょう。
そんな流れでの4版です。最初、2版のバージョンアップ版のような印象を受けていましたが、それよりも初版リスペクトを強く感じます。D&Dも5版で初版寄りになりましたよね。初版を遊んでいた世代が、企業で決定権を持つようになったのが影響なんでしょうかね?
ま、システムの内容をざくっと紹介します。基本能力値は10種類。2版と比較すると、敏捷力からDexterity(器用度)、知力からInitiative(反応)が独立しています。これらの能力値は初版にあったものです。能力値的な種族バランスでは、エルフが凄く強化されました。人間に劣る部分がない感じは、これも初版を彷彿させます。ただ、バランスは別のところでとっています。ご存知、運命点。そして、Resilience(執念点)。後者は4版から追加された、ヒーローポイントで永久消費するとダイスロールで成功を変えたり、失敗した混沌変異ルールを無視できたりします。己の意志で現実を捻じ曲げる力ですね。運命点に対する幸運点のように、執念点と同数のResolve(信念点)が与えられます。これはクリティカルや恐怖などの不利な状況を1ラウンド無効化するものです。これは、PCの生き様に沿ったロールプレイをすれば、GM裁量で回復します。例えば、鞭打苦行者がシグマー神への狂信をアピールするとかですね。運命点と執念点はランダム決定ではなく、種族で定められた初期値にボーナス値を配分して決定します。人間は運命点2、執念点1にボーナスの3点を割り振り。エルフは運命点および執念点の初期値は0、ボーナス2なので、1点ずつ割り振るしかないよねって形です。エルフは能力値が高くとも、打破力、リカバリー能力に欠けるわけですよ!
キャリアは64種類。初版にあったアカデミックやレンジャーなどの区分が復活。また、上級キャリアの概念が変わって、各キャリアにキャリア・パスができました。例えば、騎士は、従者→騎士→名だたる騎士→内陣騎士のようにキャリアアップしていきます。ちなみに初版から復活した物乞いですが、Pauper(貧困者)→Begger(物乞い)→Master Begger(達人乞食)→Begger King(物乞い王)ってな感じ。もちろん、キャリアアップ以外に転職するのも可能ですぜ!
種族、キャリア、能力値はランダムで決定しますが、初期経験点を諦めることで、好きなのを選べたり、能力値ならポイントバイできたりします。
技能ですが、一般技能は全キャラ、能力値でロール可能になりました。また、平均的なテストの難易度が(+20)に変更。だれも何も見つけれない、だれも交渉できないなどがなくなり、初期キャラでも人間なら大体5割で成功するようになりました。これは失敗によるセッションの停滞を排除しようとう試みなんでしょう。この考え方は後述の戦闘にも表れています。
「近接攻撃(基本)」、「肉体抵抗」、「動じなさ」も初期技能に含まれるようになりました。これらは、2版では【武】、【頑】、【意】と能力値で判定していた部分です。4版では技能は個々にパーセンテージを成長できるようになりました。なので、ここら辺も比較的伸ばしやすいのです。ダガーや片手武器などの基本武器を扱う「近接攻撃(基本)」は、ハーフリング以外の種族選択技能になっています(哀れハーフリング!)。種族初期成長で+5、キャリアでも伸ばせるならさらに+10アップできます。ちなみに、「遠隔攻撃」は上級技能になりました。持っていなければ試みることができません。
異能については、同じ異能を複数回習得して強化できるようになりました。「強打」を3回習得できれば、ダメージ+3等です。複数回数習得の制限は異能ごとに決められており、「強打」なら【筋】ボーナスに等しい回数になります。
後、面白いと思ったのが人間の種族異能のDoomed(運命付け)。10歳の誕生日にモール司祭が占いを行う風習があり、それを「運命付け」といいます。『信仰の書』に記載のある奴ですね。この、神託どおりの最期、「厠で惨たらしく一人で死ぬ」などを達成できたら、次のPCに経験点の半分を引き継げるというものです。これは、雰囲気溢れていていいっすよね!
ここまで読んで何かイージーな世界になったと思いましたか? もちろん、そんなことはありません。ある意味より過酷になったと思います。
重要な判定には、対抗ロールが使われます。成功レベルを比べて、勝者を決めるものですね。
そして、戦闘における命中判定とダメージはこの対抗ロールで判定することになりました! こちらの命中率は53、出目が36で成功レベル2。相手の成功レベルは-1なので、3差の成功。ダメージは基本値+3で算出って流れです。
恐ろしいのは、双方失敗でも成功レベルの差で勝者が決まるため、ダメージが発生することです。2版のように3割程度の命中で双方はずしまくるということはなくなりました。
また、ゾロの成功でクリティカル。失敗でファンブルが発生します。クリティカルは、問答無用でクリティカル表をロール。クリティカル効果、顔面がぐちゃぐちゃになったり、指が数本切断されたりとよりえぐい感じなりました。ファンブルは、初版でもあったOops! Table(おっとっと表)でアクシデント内容を決定です。
2版のようにハーフリングパンチでも、ダメージダイスで10が出続ける限りグレーターディーモンを倒せるという浪漫はなくなりました。ダイス目の影響がよりダイレクトになり、ある意味よりデンジャーに。
そして、この流れを加速するのが初版にもあったAdvantage(優位)ルール。自分がダメージを受けず、攻撃を成功させている限り、+10のボーナスが加算され続けていくものです。今回、スクウェア戦闘ではなく、エンゲージ制の抽象戦闘になりましたが、人数差のボーナスは健在で、3倍差以上で+40! 戦闘は一方的になる傾向が非常に高くなったと思います。
タコ殴りが強いかというと、遠隔攻撃の方もえげつないと思います。今回、射線ルールがなくなった模様なので、ある意味、一方的に攻撃し放題。しかし、強力すぎるからか上級技能になり、遠隔攻撃可能なキャリアもごく少数になりました。狩人は弓の技能を持っていますが、弓自体を持っていないなどです。
まあ、初期キャラの戦闘バランスですが、自分がマスターした際はPCの圧勝。しかし、ダイス目によってはPCたちの優勢も崩れることがあったでしょう。
戦闘バランスについては、プレイ経験が足らずよく判っていません。
ただ、2版では戦闘に軸足を置いた遊び方をしていましたが、4版は世界観、物語に軸足を置いたものにシフトしているという印象も受けました。
2版では戦闘職とそれ以外の戦闘能力は初期ではそれほどなかったため、ネズミ捕りでも戦士として運用することが可能でした。4版では、ネズミ捕りはネズミ捕りらしい運用で遊べということかな?
4版はどういう遊び方を提示するかは、今後発売される公式シナリオで確認していきたいと思います。
なんにせよ350ページオーバーの大作の新作ウォーハンマー! じっくり遊んでいきたいと思います!

