トーグエタニティ日本語発売! キャラメイクのコツについて

 ご無沙汰です。康次郎です。

 

 3年ぶりのブログ更新になります。

 

 コロナの影響で、オフラインセッションをやる機会はめっきり減りましたが、主にオンラインセッションでTRPGライフを楽しんでいます。

  

 今回のお題は、2018年1月18日の日記で紹介したTORGエタニティです。本国ではキックスタートが7回行われまして、オーロシュまでのサプリメントが完了、残すコズムはパンパシフィカのみとなりました。

  そしてなにより新紀元社から日本語版ルールブックが、7/20に発売! これで遊ぶハードルが相当下がりました!

 

 

 

 ただ、旧版の基本ルールブックに掲載されていたアーキタイプ(サンプルPC)が今回は掲載されていません。これは、原書もアーキタイプはマスタースクリーンに付属で基本ルールにはついていないのですね。

 

 そこで、今回はキャラメイクのコツと、自作PCを何体か紹介しようと思います。

  

キャラメイクのコツ:初めに

  トーグエタニティは、20回以上プレイしていますが、パーティに役割分担があり、PCたちの連携が大事なシステムだと思っています。例えば、強敵を倒す場合、対人行動が得意なPCが弱体化を行い、補助が得意なPCが支援をし、火力PCが連携による一撃を叩き込むというのが、王道パターンになります。今回の日記はこれを念頭に紹介を行います。

  ただ、前提として私がデータ重視のパワープレイ傾向が強めということを留意してください。具体的には、4人パーティに対する中ボスとの戦闘では、中ボスはもちろんリアリティ能力者、とりまきの雑魚が8体程度はだす感じです。また、特に理由がない限り、後衛PCも攻撃対象に含めます。

  後、ゲームバランス的な観点では、カード運用が重要なシステムになっています。プレイヤーのカード運用の上手さ、また、PCの人数で、だいぶんバランスが変わります。3人パーティならカード回しがきつくて、「偉業」も達成しにくい。逆に6人パーティなら、強力なカードがPC達の手札にある確率が多くなるので、頭数以上にPC有利になる感じです。PC人数多いなら相当尖ったコンセプトのPCもありかなと思います。

  

キャラメイクのコツ:能力値とタイプ

  トーグエタニティの能力値は《魅力》、《機敏》、《知性》、《精神》および《体力》の5種類です。1つの能力値の特化型キャラクターは強力です。《体力》以外の能力値は、それぞれ対人行動の技能と対応しています。対人行動でプレイヤーズコールまでいけば、その敵の手番を無効化できるのは、とても強力。そして、敵も得手不得手があるので、各対人行動のエキスパートがパーティに揃っているのが理想です。しかし、能力値はポイント制なので1つの能力値を高くしようとすれば、他の能力値を下げる必要があり特化型はなかなか難しいのですよ。トーグエタニティのシステムバランスの素晴らしいところは、どの能力値も重要という点。能力値配分は頭を悩ます面白い部分です。実際、キャンペーン用にアイルの魔法使いを作成した際、《機敏》を1下げて、《知性》を1上げるべきかを半日くらい悩んでいました。

 なぜ、悩むのか。各能力値についてシステム面での見解をば。

 

・7以上は欲しい能力値:《精神》、《体力》

 まず、耐久値に直結する《体力》です。モブ敵でもダメージ基本値が10程度。他のPCには1~2ショックで済むダメージでも、鎧を着ていない《体力》5のPCは1負傷を負うことになります。打たれ弱さに直結する《体力》は、よほど高性能の鎧を着るとかでなければ、6以下にしないほうが無難です。

 次に《精神》。ショックダメージの総量は《精神》で決まります。また、ダメージ吸収やリンク回復に使用する〈リアリティ〉のベース能力値でもあります。こちらも低くしない方が無難と思います。

 

・低いと被弾率があがる能力値:《機敏》

 耐久値以外の防御値は《機敏》がベースになります。低すぎると被弾しやすくなりますし、敵の攻撃の成功レベルが高ければ高ダメージを受けるリスクも増えます。後衛型PCでもそこそこは必要かと。また、多くの戦闘系スキルのベースになっているので、前衛型PCは高い方が望ましいです。ただ、鎧に《機敏》上限があるので、重装タイプはそこまで優先度は高くないです。

 

・技能に重要な能力値:《知性》、《魅力》

 もっとも多くの技能のベースになっているのが《知性》。知識系だけでなく、〈発見〉や〈手がかり分析〉、〈追跡〉などアドベンチャーパートで重宝する知覚系技能も網羅しています。次に《魅力》。これまた、交渉系で重宝する〈説得〉などのベースです。

 トーグエタニティは、正義の味方のストームナイトの活躍を描くドラマチック志向のシステムです。全員、これらが低い脳筋パーティというのは困りものです。

  

 能力値についての見解が済んだので、次は能力値配分のパターンを紹介します。

 

・特化型

 11以上の能力値を1つ作るパターンです。技能と「特典」もその能力値に合わせて集中させるのが強いですね。トーグエタニティは、物理火力で敵を倒す火力型ビルドのPCが不可欠です。これは《体力》集中型がが相性よいですね。耐久値も高くなり、近接武器のダメージ基本値も上がりますし。

 

・集中型

 10の能力値を2つ作るパターンです。コンセプト的に2つの能力値が必要な場合、これぐらいの配分に落ち着きます。《体力》《機敏》型の前衛型や、《知性》《精神》型の魔法使いなどですね。

 

・バランス型

 能力値を7~9の範囲で納めるタイプ。どんなこともそれなりにできるというのは、十分有用なのですね。《知力》特化型PCであっても、常に〈知覚〉を成功するわけでもない。こういう時にフォロー可能な仲間がいるとありがたいものです。

 また、支援型の「特典」を比較的活かしやすいのも、このタイプだと思います。

 

 キャラメイクのコツ:出身コズム

  キャラコンセプトで大きなウェイトを占めるのが出身コズムです。ロールプレイ指針としてどこまでやるかはプレイグループやプレイヤーの解釈によりますが、出身コズムのロールプレイへの影響は大きいと思っています。

 例えば、原始と奇跡の世界リビングランドは、青銅器文明程度の技術しかなく、部族社会がベースです。株式会社みたいな概念を理解するのは矛盾になります。

 ただ、多種の価値観ごっちゃ混ぜの世界観がトーグエタニティの大きな魅力でしょう。例えば、アイドルのコンサート。リビングランドのエディーノスは「宗教儀式?」と思い、ゴシックホラー世界のオーロシュのヴィクトリア人貴族は「オペラと思ったが、あの娘の服装は何だ。ジプシーの踊り子なのか?」など辛辣なコメントを、テクノデーモンが支配する闘争社会から来たサーコルドのレジスタンス兵士は「これは集団軍事訓練? いや、噂に聞いた慰安会というものか??」とデ・カルチャーを感じる。こういうロールプレイは楽しいですね。

 パーティに複数のコズム出身者がいた方が、楽しいと思います。また、キャラ被りも少なくなりますしね。

 ただ、例えばパンパシフィカで金輪産業の悪行を暴こうとするハッカー集団を援助する場合。参加PCが、ハッキングという概念を基本的に理解できないアイルとオーロシュ、ナイル帝国のコズム出身者の場合、シナリオ進行が難しくなるのが想定されます。

 シナリオの舞台になるコズム出身者がいると、そのコズムの常識を紹介しやすくシナリオ進行の助けになります。または、コアアース出身者だと、基本的に地球が舞台なので、どの占領エリアでもNPCとコンタクトしやすいかなと思います。

 

 キャラメイクのコツ:技能と特典

  技能と「特典」は、PCができることを大きく定めます。装備や「特典」は、出身コズムで制限を受ける場合があるので、この「特典」を選びたいのでこのコズム出身になるという考えもありますね。

 「特典」の解説をすると長くなるので、今回は省きます。ただ、魔法と奇跡、超能力を使用可能にする「特典」は、PCの行動の幅を広げますね。参照するルールは増えますが、旧版よりずっとずっとシンプルになっていますよ。

 

 キャラメイク例

  キャラメイクのコツの実践として、例を4つ挙げますね。

 

コアアースの毒舌聖職者

能力値:魅力9、機敏7、知性8、精神9、体力7

技能:応急手当1、回避2、格闘1、コンピューター1、信教3、説得2、挑発3、投擲武器1、発見1、リアリティ1

特典:人徳、奇跡/スーズ、ブレス、ワード・エネミー

装備:ケブラー防弾ベスト、マルチツール、モバイルフォン、火炎瓶×4、聖印

背景:聖職者の家に産まれたが、両親に反発し嵐のような思春期を過ごした。しかし、親の愛に気づき、社会に役立つ人間になろうと誓った。社会にでて直ぐ、世界に最悪な嵐が吹き荒れた。リアリティ能力者として目覚めたのは福音だ。世界を正すため、この力を使う。

コンセプト:バランス型の何でも屋ですが、特に挑発とサポートが得意です。

 

ナイル帝国のタンクヒーロー

能力値:魅力6、機敏8、知性6、精神8、体力12/14

技能:威嚇1、回避3、格闘1、錠前破り1、説得1、地乗車操縦1、発見1、白兵戦3、間合い2、リアリティ2

特典:警護、スーパー能力値(体力)/大制約 スタンダードシーンでは働かない

装備:タンクエンブレム(「重胸甲」相当)、タンクハンマー(「ウォーハンマー」相当)、ヒーリングポーション

背景:無辜の民を護りたい。この強い想いが人を変える。村を襲うナイル帝国の戦車を鉄パイプでスクラップにした時、不屈の盾たるタンクヒーローが誕生した。街の整備工たちが戦車の残骸から鎧と武器を作ってくれた。装備も万全、後はドクターメビウスに鉄槌を下すだけだ!

コンセプト:味方を庇うことも可能な近接パワーファイターです。

 

元ナードのアイルの魔法使い

能力値:魅力6、機敏7、知性12、精神8、体力7

技能:応急手当1、回避1、感知魔法3、手がかり分析1、トリック1、追跡2、白兵戦1、発見1、変成魔法3、リアリティ2

特典:状況認識、スペルキャスター/スタン、ディミニッシュ、パスファインダー

装備:エルヴンチェイン、ダガー、呪文詠唱用薬品セット、バックパック

背景:大学を卒業後も定職に就かず引き籠っていたが、世界が一変してしまった。長年蓄えた知識は、魔術の知識として再構築された。いいだろう。この世界の危機を何とかしてやる。そして、平和が訪れたら大賢者として隠遁するのだ。

コンセプト:パーティに一人は欲しい高知性キャラクターです。そして〈知性〉と相性がよいのが魔法です。未訳のアイルのサプリメントは、魔法の追加データが多く、拡張性も高いです。

 

サイバー教皇領のサイバー斥候

能力値:魅力6、機敏10、知性7、精神7、体力10

技能:回避2、隠れ身2、コンピューター1、銃器戦闘1、追跡1、発見2、白兵戦3、間合い2、リアリティ2

特典:旋風、サイバーウェア移植/ハードプラスアーム、ハードプラスライフロック、ベルビュー20-20サイバーアイ

装備:ロングソード、リフレクト・アーマー、GWIゴットミーター、弾薬帯

背景:アイルのハイロードのユーソリオン配下斥候だったが、深い霧に迷ってしまい気が付けば酷い嵐に巻き込まれ、終いにはサイバー教皇領のリアリティに変身してしまっていた。サイバーアイのお陰で物事がはっきり見えるようになり、ユーソリオンやマルローの悪事も知ってしまった。糞くらえ! 落とし前をつけさせてやる。

コンセプト:軽戦士タイプの前衛キャラです。モブ敵の排除や、〈間合い〉による敵の弱体化が得意です。

 

 キャラメイクについて思うところをまとめてみました。あくまで自分のプレイスタイルにあったものなので、参考までに。

 トーグエタニティは大変面白いシステムです。独特なのでとっつきにくい部分もあると思いますが、ルールは整理されています。まずはやってみることをお勧めしますよ!