『ウォーハンマー2版』の技能と異能の考察

 今回は『ウォーハンマーRPG2版』のハウスルールのネタについてです。


 2版のルールはコンパクトでまとまりがよいものだと思っています。世界観に合うようなリアルさとヒロイックさを備えており、クリティカルや狂気のルールなどシステム自体でもダークな雰囲気を出しています。ルールの根本はシンプルで、戦闘でとれる行動オプションは多くはないですが、マス目戦闘ですし戦略性が低いわけでは決してなく、ダメージが上方無限ルールなデッドリーなシステムも相まって飽きることがありません。


ウォーハンマーRPG 基本ルールブック

ウォーハンマーRPG 基本ルールブック


 ただ、全体的なルールが洗練されているかというと、はい、整合性のとれていないところもあります。『堕落の書』の混沌変異ルールをそのまま適用すれば、ビーストマンやミュータントは、混沌の穢れによって自滅して一台勢力を成すほど数を増やせないだろうなとかw PCに不利になるだけの『コンパニオン』の水泳ルールや交渉ルールなど。


 でも、この洗練されてなさ具合も、世界設定と相まって魅力なのですね。ただ、技能と異能関連はもっと整理されていてもいいかなと思わなくもないです。

 今回はここら辺についての考察をしようと思います。



 旧版で“技能”で一括りにされていた特殊能力を、2版では“技能”と“異能”に整理しました。これにより、PCが取れるアクションの幅がかなり広がったと思います。しかし、旧版の名残で似たような技能や、ほとんど使用しない技能が存在します。

 例えば、農夫が飼い牛をなだめる場合何の技能を使用するのか? 動物に関連する技能は、〈動物の世話〉と〈てなずけ〉、〈調教〉があります。また、〈職能:農家〉というものも存在します。


 『ウォーハンマーRPG』の魅力に多才なキャリアがあります。キャリアを差別化するのには多くの技能と異能があった方がやりやすいのです。ただ、技能は修得していない場合は、成功率が著しく下がったり、そもそも行為を行えないものです。技能の数を絞って、異能の数を増やす方がPCの行動の幅が広がると思います。


 2版では、“交渉”関連の技能には以下のようなものが存在します;〈威圧〉、〈指揮〉、〈世間話〉、〈値切り〉、〈魅惑〉、〈拷問〉、〈無駄話〉。他者を脅して自分の意に従わせさせる〈威圧〉に〈拷問〉が含まれるのではないかとか、相手を煙に巻くだけの〈無駄話〉の活用範囲が狭すぎるなどと思えます。


 例えば、交渉系技能を〈威圧〉と〈交渉〉、〈情報収集〉にまとめてしまって、《指揮》という異能を持っていれば、【協調力】の半分の人数の部下に対して〈交渉〉技能で命令を下すことが可能などとするのも手じゃないかと思います。後、使用範囲が今一ピンとこない〈職能〉技能も、関連する判定にボーナスを与える異能としてまとめてしまうとか。例えば、〈作成〉という技能を作り、《職能:大工》があれば、大工が作成するようなものを作る判定にはボーナスを与えるなどですね。


 まあ、繰り返しなりますがルールの洗練されていなさ具合も2版の魅力でして、あまりスマートになってしまえば、泥臭さが足りないという感じになってしまいそうですがw

 『ダンジョンズ&ドラゴンズ4版』が展開するにあたり、『3.5版』の流れを汲む『Pathfinder』が別会社から発売されました。『ウォーハンマーRPG』の場合、3版じゃない2.5版のようなものが作られるとしたら、どの辺りのルールが変更されるだろうと考えていたら、上記のようなことを思ったわけです。

 まあ、2版は有志による世界設定の追加などの展開の方がありえそうですが。