中世イングランド版『混沌の渦』発売!

 遅ればせながら明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。


 『混沌の渦』の中世イングランド版、『Maelstrom Domesday』が正式に発売されました。今回はその紹介です。ウェブショップのRPG NOWなどで販売されています。


http://www.rpgnow.com/product/120361/Maelstrom-Domesday?src=s_pi


 前に紹介したとおり本作は1086年の大ブリテン島を舞台しています。完全な歴史ものTRPGってわけではなく、この世界は“混沌の渦”(Maelstrom)の影響によって怪奇現象が起きています。悪魔や巨人、魔法などもある程度存在する世界なのです。

 プレイヤーたちの立場は探索者(Investigator)になります。鬼火を見たり、霊魂に憑依されたなどの超常現象の経験者。その経験をパトロンにかわれ、怪奇現象の解決を命じられた者たちになります。

 プレイヤーを“探索者”に限定したことで大分遊びやすくなっていると思います。この枠組みがあるから、修道僧と物乞い、馬丁、弓兵のプレイヤーが一緒に協力することも無理がありません。逆に枠組みがなければ、この時代の身分や階級を超えて協力するシチュエーションを考えなければなりません。架空の世界ならまだやりやすいですが、11世紀のイギリスですからね。自分にはかなり難しいです。旧版の『混沌の渦』を未プレイだったのもこの困難さからです。

 それと“探索者”ということで、ある種『クトゥルフの呼び声』的な探査ものの遊び方をデフォルトに出しているのでしょうね? ちなみに、本システムではGMはレフリーと呼ばれます。そして、当然ながら狂気に陥るルールもありますよ。ただ、戦闘やキャラシステムは『ウォーハンマーRPG』に近いですね。『痛打表』ならぬ『重傷表』や『致命傷表』も存在しますよw



 基本ルール以外にも『Investigators Guide』、『Map Book』、『The Beast of Ledsham』が発売されています。

 『探索者ガイド:Investigators Guide』はプレイヤーサマリー。戦闘ルールや設定がまとめられていますが、これだけでキャラクターメイキングはできません。

 『地図集:Map Book』は汎用地図集でして、全体地図、城や修道院の見取り図、荘園地図数パターンなどが掲載。何か旧版『ウォーハンマー』テイストのサプリメントです。

 『レッドシャム荘の獣:The Beast of Ledsham』は入門用シナリオ。レッドシャム荘の近郊の森に邪悪なものが潜んでいる。動物が食い殺され、おびえる村人たち。ノルマン人の男爵は勇敢な探索者にその解決を命じるってな感じの内容。全24ページで手ごろな感じかな? 今度、このシナリオをプレイしてみようと思っています。


 最後に基本ルールには本作のウェブ投資の出資者が掲載されています。自分以外にも日本人の名前がちらほら。こういうの嬉しいですよね!