『ウォーハンマーRPG3版』続報 その4

 Fantasy Flight Game社のウェブサイトで『ウォーハンマーRPG3版』の情報更新は早いですね。1週間に1〜2回かな? 今回は、ダイスと成長の話です。

 どうも、細かい所を追っていっても全体像が見えないので、概略を紹介していこうと思います。


 まず、このゲームの特徴でもある特殊ダイスについて。このゲームには以下の7種類のダイスがあります。


挑戦ダイス(Challenge Dice)は紫色の八面体で、困難な挑戦を行なう際に使用される。

能力ダイス(Characteristic Dice)は青色の八面体で、能力に対応しておりダイスプールの基礎である。能力ダイスは、現在のキャラクターのスタンスに応じて別のダイスに交換可能である。

慎重ダイス(Conservative Dice)は緑色の十面体で、ローリスク&ローリターンの態度のキャラクターが行動に使用可能である。慎重ダイスは、用心深くて思慮深い問題解決を反映しており、手堅いが時間がかかる。

無謀ダイス(Reckless Dice)は赤色の十面体で、ハイリスク&ハイリターンの態度のキャラクターが行動に使用可能である。多くの有用な効果を与えるが、無地の面や不利なことを与える面もある。

専門ダイス(Expertise Dice)は黄色の六面体で、特殊な技能や能力を示す。PCに追加ダイスや特殊効果を与える特殊シンボルが記されている。

幸運ダイス(Fortune Dice)は白色の六面体で、50%の確率で利点を与える。幸運ダイスは、戦術的優位または特定の異能、パーティー能力、幸運点の消費で使用可能である。

不運ダイス(Misfortune Dice)は白色の六面体で、50%の確率で不利な効果を与える。不運ダイスは、戦術的優位を取られることや特定の異能、状況、クリティカル効果によって与えられる。


 特殊ダイスの面には独特なマークが彫られています。“戦鎚のマーク”なら1個の成功とかです。慎重ダイスなら“戦鎚マーク”が出やすいけど、時間が余分にかかる“砂時計マーク”もついているとか、無謀ダイスは“戦鎚マーク”が2個ついている面もあるけど、疲労などをうける“汗マーク”がついているなどみたいですね。

 判定の基本的なやり方は、その行為に対応する能力値に等しい個数の能力ダイスが基本的なダイスプールになります。例えば、対応能力が【筋力】で、【筋力】が3なら、能力ダイス3個が基本的なダイスプールになります。これに、不利な状況があると不運ダイスなどがペナルティとしてダイスプールに加えられます。行為に対応する技能を持っていれば、技能の習熟段階に合わせた幸運ダイスを加えることができます。また、能力ダイスは、そのキャラクターのスタンスが無謀に寄る毎に無謀ダイスと、慎重に寄る毎に慎重ダイスに交換することが可能です。例えば、トロール殺しは無謀ピースを3つまで伸ばせます。3つ目の位置にマーカーがあれば、3つの能力ダイスを全部無謀ダイスに交換可能という具合ですね。どうも、スタンス・メーターってこのためだけのものみたいな感じがしますね。

 2d6判定や%ダイスと比べて、成功率がどの位になるかわ判りにくい判定方ですが、ダイスを選ぶ戦略性、ダイスを振るドキドキ感はあると思います。なかなかユニークなシステムですね。



 次に成長システムです。今回はセッションが終わる毎に、経験点(Experience)と成長点(Advances)を1点ずつもらえるそうです。能力的な成長は主に成長点で行なうようです。

 成長点を消費して以下の成長が行えます。

1.異能の習得

2.アクション・カードの獲得

3.技能の習得および熟達

4.耐久点の上昇


 後、自分のキャリア・カードに記載されていない成長も今回は行えます。例えば、ゴロツキが〈応急手当〉を、1点余分な成長点、つまり2点消費すれば習得することができます。

 後、転職システムも変更されています。今回のキャリには、キーワードがあります。ゴロツキならば基本(Basic)、戦闘系(Combat)、卑劣漢(Menial)、犯罪系(Rouge)です。転職に必要な成長点は基本が4点で、転職先のキャリアのキーワードが同じ分だけ1点ずつ少なくなります。つまり、キーワードが2つ同じキャリアに転職するには2点でよいということですね。何故、こういうシステムに変更されたかは、キャリアをカードにしているかだでしょうね。キャリアを追加するたびに、カードの版を更新するわけにはいきませんから。

 このように転職は、簡単に行なえるようになったようです。また、他のキャリアの異能なども習得可能なので、ずっと貴族ままで成長し続けるとかもできそうですね。ただ、転職などが簡単になった分、ひとつのキャリアで10回成長させれば、キャリアを極めたことによるボーナスを与えるようにしています。そのキャリアの特殊能力がそのキャラクター自身の能力になり、そのキャリアの主要技能にすべて熟達し、転職にかかる成長点が1点少なくなるそうです。



 以上が、ダイスと成長の概略です。3版の情報更新は早いのですが、3版がどんなセッションを志向しているのか、つまり2版の泥臭い路線を踏襲するのか、オンラインゲームのようなヒロイック路線なのか、『Warhammer Quest』のようにボードゲームっぽい路線なのかという一番知りたいことがやはり見えてきません。ただ、ボードゲーム路線が基本で、フレイバー面はプレイヤーで調整というのが、案外正解に近いのかなと思い始めています。3版はFantasy Flight Game社が築いたボードゲームなどによる自社ブランドを土台とした製品であることは間違いありません。2版のファンよりも、自社のファンにアピールする製品を当然目指しているのだと思います。

 なので、ボードゲームやカードゲームのファンが馴染み易いものになっているのだと思います。とりあえず、ルール周りだけでも十二分に遊べるものになっているかと。世界設定的な面白さや、作品のベクトルについては、あまり触れないのかもしれません? 例えば、今回公開された情報に博徒のキャラクター・シートがあり、これはハイエルフが就くことが可能です。何でハイエルフがわざわざエンパイアでギャンブルしているのか、あまり想像できませんが、多分ここらのフレイバーについてはあまりフォローされないんじゃないかと邪推しております(博徒はハイエルフの就くことができるキャリアの数合わせで選ばれたか、ハイエルフが能力値的に博徒に向いているとかかも知れませんね)。ルール的面白さ重視でボードゲーム的に遊ぶか、ハイエルフの博徒をやりたいのならGMが納得できる設定を考えてくれとするのかは、プレイヤーたち次第という感じになるんじゃないでしょうかね?