『Dark Sun』続報(その3)

 ダーク・サン続報です。本当はDAC前に更新しようとか思っていましたが、バタバタしていて遅れてしましました。今後は、小出しでもいいからちょくちょく更新していこうと思っています。


 初めにダーク・サンのワールドのAthasの読み方なのですが、「アタス」としていましたが、プロモーション用のMP3ファイルを聞いたところ「アサス」の方が近いような気がしましたので、こちらに改めます。

 こういうのネイティブ方の発音を確認できるのはよいですね。どうせなら、ワールドワイドなので、神の名前、国の名前、モンスターなどの固有名詞などは、発音を聞き取れるMP3データをダウンロードできるサービスがあったら大変ありがたいですね。この国のモデルはドイツなので独語風に読むとかあっても字面じゃわからないですし、これがなんちゃって異国風ならもうお手上げなんですよ。


 まあ前置きはこれくらいにして、今回は『Dark Sun Creature Catalog』の話を。


Dark Sun Creature Catalog (4th Edition D&D)

Dark Sun Creature Catalog (4th Edition D&D)


 これは便利ですよ。ダーク・サンの世界観って、普通のファンタジーの避けて目新しさを出していますね。だから、定番のゴブリンやコボルトなどいないくて、独自のモンスター、または定番のモンスターが変化球的に使われています。AD&Dの時は、キャンペーン・セッティングはリバイバル版、モンスター・コンペディウムも2番目のしか持ってなかったので、シナリオに登場するモンスターがどういう奴か判らなかったのですね。4版になって整理された形でまとめられたので、助かります。


 例えば、アサスのオークやゴブリン辺りのポストにギスがいます。これが、ギスゼライやギスヤンキとはかなり異なる存在なのですね。

 彼らは、シャドウフェル(ダーク・サンでは“灰界(the Gray)”と言います)経由でアサスに来て故郷に帰られくなったギスヤンキの末裔とのこと。秘術魔法が歪められた影響を受け、心身ともにねじ曲げられたそうです。でも、故郷のことを忘れず、宇宙船……じゃなくてアストラル船の残骸を集めているとのこと。渋くていいですねぇ。ここら辺の設定を読むとSFって感じです。


 その他にもGajとかKirreとか、字面だけではどんな生命体なのかまったく想像できないクリーチャーのデータが載っています。



 そして、目玉といえばやはりソーサラーキングたちですね。本書には既に倒された都市国家ティア(Tyr)のカラク(Kalak)以外の諸王たちのデータが記載されています。


 それも、7大都市国家ソーサラーキングたちだけではないのですね。表紙を飾っているのは、ドラゴン・オヴ・ティアです。最強のソーサラーキングの“殺戮王”ボリス(Borys the Butcher)の最終形態なのですね。彼は自分の都市国家ウル・ドラザ(Ur Draza)全部を生贄にして、この段階に進んだので、現在はソーサラーキングではありません(だから表紙は廃墟で、アンデッドは彼のかつての部下のなれの果てですね)。アサスのボス的存在で、データ的には巨大サイズの33レベルの単独制御役。イニシアチブはロールせず、20と30、40のカウントそれぞれでターンを得るとさらりと書かれています。ちなみに、彼がアタス唯一のドラゴンであり、いわゆる通常のドラゴンはこの世界には存在しません。ドラゴンの代わりにドレイクのデータが載っており、これを使用しましょうとあります(まあ、ドレイクには知性はないですが)。ちなみに、ボリスたちソーサラーキングは、師匠のラージャット(Rajaat)を封印していまして、世界設定的にはこいつが裏ボスでしょうね。データはありませんが。



 ドラゴン・オヴ・ティアに次ぐ存在が、前にも紹介したドラゴンボーンの創造主である死せるソーサラーキングのドレゴスです。超大型のドラゴンリッチのような姿をしており、30レベルの単独制御役です。彼は中型のドラゴンボーンか、灰色の肌をしたドラゴン型の人型形態をとれるとあります。


 まあ、上記の2名は完全に人外でして一般住民の生活とはなかなか関わりにならないです。今後紹介していく6名のソーサラーキングは、それぞれ都市国家を支配しているので、よりアサスの住人に影響力を持っています。PCたちも英雄級などでも目にする機会は充分高いでしょう。


 一人目は自分の名を冠した“尖塔都市”ニベネイ(Nibenay)を支配する“影王”(The Shadow King)ことニベネイです。このソーサラーキングは統治は部下に任せて長らくこもって秘術魔法の研究を続けていたとのことですが、カラク殺害後また表に姿を現したそうです。データ的には29レベルの精鋭制御役。大型サイズのドラゴンもどきって感じですね。単独ではなく精鋭なのは、武闘派ではなく研究者肌ってことでしょうか?



 都市国家ニベネイは、アサスで最も文明化された地域であると自称しています。“影王”の配下のテンプラーは全員女性、そしてほとんどがヒューマンとハーフエルフでテンプラーになるということは“影王”の妻の一人になることだそうです。何かすげぇ。“影王”という厨房っぽい名前といい、この設定で“研究者肌の影の支配者”というイメージより、「全員、おれの嫁……。グヘヘヘ」とか言ってそうな“インテリ引きこもり”の感じぐぁ! 『City Under the Sand』という“影王”が登場するダーク・サン小説が発売されているので、ちょびちょび読んで実際のところを確かめてみようかなと思っています。



 で、今回最後に紹介するのは都市国家ドラジ(Draj)のソーサラーキングの“生命の父”(The Father of Life)ことテックトゥクティトレイ(Tectuktitlay)です。今まで紹介してきたソーサラーキングたちとは対極の存在です。



 都市国家ドラジは“月の都”と呼ばれており、ソーサラーキングの下、あくなき征服路線をとっているそうです。こののテンプラーたちはムーンプリースト(Moon Priest)という神官です。何の神官かというとテックトゥクティトレイのです。彼はラル(Ral)とギュサイ(Guthay)と呼ばれるこの世界の2つの月の息子、つまり生き神様だと自称しているのですね。


 で、この神の子のデータなのですが、22レベルの精鋭砲撃役! 単独じゃなくてしかも22レベル。一番格下のソーサラーキング様なのであります。22レベルつったら、伝説級で何とかなる範囲ですよ、旦那! 新しく追加された神話の運命の不滅性に「君はようやくソーサラーキングたちを倒した」ってのがありますが、その中に彼が含まれるのはもう必然ですね。まあ、登竜門的ドラゴン・キングな訳でして、多分「ソーサラーキング(笑)」やら「神の子(笑)」、「巨大飛行エイの方が圧倒的に強かった」とか散々言われているのでしょうね。逆に言うと精鋭モンスターなのでお供のムーンプリーストをたくさん出しても文句はいわれないのですね。20体くらいだしてもいいんじゃないかな? まあ、「お供の方が強かった」とか言われるとアレですがw


 今回はこれまでとして、次回は残りの4名のソーサラーキングの紹介をする予定です。