ダーク・サンの都市(その1)

 今回は久しぶりにD&D4版ダーク・サンについて。なかなかこれをプレイする機会がなかったのですが、最近ダーク・サンをオンラインセッションで遊ぶことが増えそうなので読み直してたりします。

 オンライセッションでプレイヤーを遊ぶこともでき、スリクリーンのバーサーカーで参加しました。バーサーカーは来月発売の『妖精郷の勇者』に収録のバーバリアンのバリアントで、防衛役から撃破役にモードを変更できる特殊なクラスです。基本的にやれることはナイトとバーバリアンを足して2で割ったみたいな感じでシンプルですが、運用に頭を悩ます感じ。火力も高く爽快感があり、やっていて楽しかったです。


 では、話を戻してダーク・サンに。ダーク・サンには読み方の判らない固有名詞が多くあります。以前はこれにほとんどフィーリングでカナをつけていましたが、最近は英文の読み上げソフトを使用するようにしています。結構信頼できそうなのがでてきていますし。それで訳語を見直してみました。

 都市名と支配する妖術王の順番になります。

タイァ(Tyr) 自由都市
ウリク(Urik) ヘマニュ(Hamanu)
レアン(Raam) アバルァチュリィ(Abalach-Re)
ネビネィ(Nibenay) ネビネィ(Nibenay)
バリク(Balic) アンドパイニス(Andropinis)
ドラジ(Draj) テクタイトレィ(Tectuktitlay)
グルグ(Gulg) ロロリパイ(Lalali-Puy)


 読み上げさせてツボったのが、無論ロロリパイ
 規則正しく一列に並んだ緑の服のマッチョガイたちが腕を振りつつ「Yes! ナイチチ Yes! ナイチチ ロロリパイィィ Yhaaaaa!!」とシャウトする姿を幻視ぐぁ!


 というわけで、今回はロロリパイたんが治めるグルグについて簡単な紹介をば。

 グルグは“森の都市”の二つ名を冠しており、他の妖術王が治める都市とは毛色が変わった雰囲気です。アサスは一般的に世紀末風エジプトなビジュアルイメージなのですが、グルグは世紀末風インカ+アフリカテイスト。怖ろしげな木製の仮面、骨、ボディペインティング、槍、モヒカンみたいな。

 統治機構も独特です。他の都市は基本的に妖術王を頂点として、寺院守護者(テンプラー)の軍事および司法、官僚機構が圧政を敷くというのがパターン。それに対してロロリパイは最も愛されている妖術女王です、Yes! ナイチチ。まあ、実際は幼女でも貧乳でもないのですが、街と森を守護する女神というデマを信じさせることで権力を掌握していいます。なのでグルグの寺院守護者である“ネンガ”(Nganga)は、行政権、司法権、軍事権も直接握らずウィッチドクターとして住民の精神的に導く導師という感じ。ちなみに、原始精霊の勢力を他の妖術王は否定していますが、グルグでは異なります。これらの邪悪な力をもった精霊たちは、ロロリパイことオヴァ(Oba)がその力を押さえ統治していることとされています。なので、“ネンガ”には原始系の術師もいるかもしれません。

 次にグルグの社会構造について。まずこの街は10〜15軒の小屋からなる“ディガダ”と呼ばれる小コミュニティから構成されます。これらは1つの土壁や木の柵で囲まれています。街の中に小部族がいるみたいな感じでしょうか? 他の都市の貴族階級とは趣が異なりますが、上級階級として“ジュダーゲス”(Judagas)が存在します。“ジュダーゲス”は「首切り狩人」の意味で、戦士+狩人階級ですね。彼らが軍事力も担います。


 そして、グルグは外界との接触を拒んでおり、他の都市の商人たちは活動を制限されます。また、部外者の宿泊施設なども、壁の外の“ディガダ”にあります。


 外界から隔離することで堅固な統治体制を確立しており、この街では貯水槽に番人を立てなくてもよいほどです。住民は水を盗めば怖ろしい呪いが振りかかると信じ込まされているからです。

 まあ、オヴァ様ことロロリパイたんは狡猾に街を支配しているってことですね。ある程度の衣食住を与え、それが自分の庇護によるものということを徹底させる。そして、住民に直接面会権を与えて寛容さを示す。女神を装っていますが最も世俗的な政治手腕にたけた妖術王でしょうね。


 アサスでのグルグはちょっと毛色が変わった冒険をしたい時、砂漠ではないジャングルにでるようなモンスターを出したい時などに便利な設定ですね。