ダーク・サンの都市(その3)

 今回は久々にダーク・サンです。

 AmazonKindleが充実されて何と初代Dark Sun小説も入手可能になっています。『The Prism Pentad(五色の角柱)』って代表作で5冊のシリーズものになります。



 20年くらい前の小説だったので今まで入手できなかったのですが、よい時代になったものです。で、一冊目を読んでみました。


 いやぁ、これ面白いですよ! 『The Verdant Passage(緑に覆われた道)』って穏やかそうな副題がついてますが、中身はこってりタフでハード。まさしく、ダーク・サンって感じ!

 それと、キャラクターも過激な奴ばかり。主人公の1人、ムルの剣闘士ライカス(Rikus)はしょっぱなの登場シーンで『仲間を鞭打つなら、代わりに俺をうてっ! ハァハァ』(意訳)みたいな台詞を吐くほど歪みない漢っぷりを発揮。他にもアサスにも善の勢力があるのですが、そいつらが「秩序にして善」属性のはずなのに刺々しい過酷な性格をしています。

 キャラ造形は参考になりますし、もちろんアサスの世界観を理解するのには最適でしょうね。そうそう、ハーフドワーフの種族であるムルがいますが、これ妖術王が秘術でかけ合わせたと思ってましたが違いました。がっちりしたムルの赤子を産むのには母体に負担が大きいみたいな記述がありましたよ。


 で、今回はこの小説の舞台となった自由都市タイァを紹介します。妖術王キャラックが倒され、アサスで唯一の自由都市になりました。善の勢力の拠点あり外敵も多いため、冒険にとこかかない一番扱いやすい都市でしょうね。

 更にタイァ自体も全然一枚岩ではなく、権力闘争の場でもあります。

 勢力としては以下の6つが挙げられています。
  1.キャラックを倒した英雄
  2.解放奴隷
  3.一般市民
  4.商家
  5.寺院守護者(テンプラー)
  6.貴族


 現在の国王はキャラックの最高位テンプラーだったティシアン(Tithian)が就いてます。彼は『The Prism Pentad』の登場人物です。虚栄心は強いけど小心者の小悪党で、キャラックを恐れるあまり王の暗殺に手を貸します。そして、敵の弱点をつくコスイ嗅覚、流れを読む処世術を駆使し、王の座を手に入れた悪党。そして、その小悪党ぶりは一巻目きっての萌えキャラともいえるでしょう。まあ、リアルの知り合いでは欲しくはないですがw


 ネタに使えそうな王に加え、スラム、闘技場、さらには地下迷宮も揃っているタイァ。ダーク・サンでキャンペーンを始めるなら、まずは闘技場シナリオやって、その後、スラム関係、地下迷宮関係、英雄級半ばに成長すれば都市の外。伝説級になればタイァ滅亡の危機を救うシナリオなんて感じになるでしょうか?

 アサスの都市国家で一番扱いやすい都市ですよね。そして、ここからスタートすれば、他の都市国家の妖術王の暴虐ぶりも実感できるって感じですね。


 『The Prism Pentad』はダーク・サンのネタの宝庫なので、続巻も読み進めています。ネタが溜まったら、また紹介しようと思っています。