ダーク・サンの都市(その4)

 今回はダーク・サンです。DAC2013でダーク・サンのセッションが2卓たつそうで、盛り上がりに期待したいですね。


 取り上げるのは“砂海の港街”バリクです。最も活発な商業都市であり、莫大な富を有しています。また、他の都市と比べると商家が大きな権力を持っています。さらに市民による共和制がとられているとのこと。


 こう書くとダーク・サンでは珍しい文明的な国家都市のように見えますが、やはりというか、外っ面だけであります。実質的にこの都市を支配しているのは“独裁官”アンドパイニス。市民による選挙によって専任されている態をとっていますが、彼の権力は揺るがないものです。

 街の市政を司り、軍事に強い影響をもつのが法務官。彼らは選挙で選ばれ、10年の任期を務めます。ただ、これらは実質的にアンドパイニスのテンプラーであり、彼の息のかかったものが選ばれるシステムになっていますとか。


 また、アンドパイニスはバリクの愛国心を推奨し、国土を豊かにしようとしています。もちろん、これは己の生贄の効果を高めるためであります。バリクの妖術王は、一番政治家タイプですね。“力”じゃなくて“政治”で統治しようとする感じ。アンドパイニスのデータは25レベルの精鋭制御役(指揮)で、単独じゃないのも他人の力を利用する彼の性質を考慮したものなのでしょうね。



 後、バリクの特色としてローマ色が最も強い点があります。共和制であり、独裁官(Dictator)も法務官(Praetor)もローマ時代の役職名。バリク特有の背景にはLegionary(軍団兵)って、君はバリクの歩兵の軍役を務めていたみたいのもあります。


 もっともダーク・サン全体的にローマ風なテイストがありますね。剣闘士と闘技場はいうにおよばす、ワインハウスやオリーブ畑。タイァにも元老院議員(senator)という貴族の役職があったり。



 ダーク・サンは世紀末的世界観ってのは間違いないのですが、それ以外に結構色々なテイストがごちゃまぜになっています。ローマ風もそうですし、ピラミッドはエジプト風、ジャングルなどはインカ帝国風や東南アジアを連想させるところもあります。砂漠を半裸のマッチョガイが蜥蜴に騎乗、異形の巨人と戦うとなると、『火星シリーズ』などの古典SFの影響も強いでしょうね。

 ディズニーの『ジョン・カーター』って火星もの映画を観ましたが、色々ダーク・サンっちくなシーンがありましたよ。




 一貫しているのは、オーソドックスな西洋中世ファンタジー以外のテイストというところでしょうか。酒場で依頼って感じでなく、逃亡奴隷とか剣闘士の立場でキャンペーンがスタートすることが少なくないダーク・サン。やっぱり、異色で味わい深い世界観だと思います!