スェーデン産ダーク・ファンタジーTRPG『Symbaroum』!!
久々の更新になります。JGCとDAC、Torgオンリーコンに参加などしておりました。ちなみに、例年はDAC大阪が開催されるとのこと。ぜひとも参加せねばっ!
で、本題ですが今回は、未訳TRPGの紹介です。スェーデン産のダーク・ファンタジーTRPGがありまして、クラウドファンディングにより今回英訳がされてPDFが販売されました。その名も『Symbaroumシンバルム』!。
これ、紹介動画がYoutubeに投稿されているんですわ。雰囲気はこれ見ればばっちり。陰のある美――しかし、耽美ではない。冷たく、そこはかとなく湿り気を感じる雰囲気。いいよね、北欧センスっ!
購入は下記のサイトから。
http://www.drivethrurpg.com/browse.php?keywords=Symbaroum&x=0&y=0&author=&artist=&pfrom=&pto=
また、クラウドファンディングのサイトではルールサマリーなどがダウンロード可能ですぜ!
https://www.indiegogo.com/projects/symbaroum-core-rulebook#/
では、ルールブックをざっと読んだ感想をば。
総ページ数267。その最初の67ページは世界設定に割かれています。ここはほとんど読めていないけど、多層的な社会勢力があり、PCは集団と己の目的ために生き、物語を紡ぐって感じみたいです。
ゲームタイトルのSymbaroum(シンバルム)はかつての王国の名前。今は闇の森、Davokar(ダヴォカー)となり果てています。ここに戦火を逃れた文明人が、女王に率いられ移住してきます。森の周辺に住んでいるかつての王国民であるバーバリアン。そして、新王国に敵対する森の守護者たるエルフ。20年近い時が流れ、闇の森に生活の糧や財宝を求め乗り込む者がいるが……っていうのが大雑把な構造の模様。
ま、ここら辺はまだちゃんと読んでいないのでこんな程度で。
続いてルール関係です。
ルールは結構シンプルで1d20して能力値以下でればテストに成功。能力値は8つあります。
Accurate 器用
Cunning 才智
Discreet 忍び
Persuasive 折衝
Quick 機敏
Resolute 意志
Strong 頑強
Vigilant 警戒
Cunningは、「抜け目なさ」とか「狡猾」って意味ですが、本システムでは「知力」と「判断力」、「教育」のニュアンスで使用されています。ゲームの雰囲気に合わせてCunningなんですかね。Discreetも「慎重さ」の意味なんですが、隠れたり、尾行したり、密輸したりする判定に使用されます。ここら辺は翻訳者泣かせのワードチョイスですね〜
ま、各能力値は平均10。通常5から15までの値を取ります。対抗ロールは相手の対応する能力値によって-5〜+5の修正を得て一回判定。ここら辺はすっきりしています。
キャラクターのデータは、この能力値の他に、種族特徴とアビリティで構成されます。
ちなみに種族は5種類。ヒューマンは王国民であるAmbrian(エンブリアン)とバーバリアンの2種類。後はオウガ、ゴブリン、チェンジリングになります。オウガは闇の森から記憶や自我を失って彷徨い出てきた2m超す巨人。ヒューマンやゴブリンにいいようにこき使われて“でか物”などのあだ名で呼ばれています。ゴブリンは謎めいた短命な小鬼。気性の激しい側面があり、人間社会ののけ者ですが、最下層の仕事をして共存しています。最期のチェンジリングは、エルフによる取り換えっ子です。森の住人のエルフはPC種族ではないのですが、人間の子供と自分たちの子供を取りかえるという謎の行為をします。また、彼らが厳密にエルフであるかは謎のまま。ずいぶん、個性的なラインナップ。ちなみに、北欧といったらトロルですが、こちらもエルフ同様に森の種族になりPCとして使用できません。
続いてアビリティですが、これは他のシステムの特技や異能、パワーを合わせたような感じです。修得の度合いが3段階(Novice、Adept、Master)あり、できることが増えていく感じです。
PC作成時、2つアビリティをNovice、1つをAdeptで修得。もしくは、5つのアビリティをNoviceで修得します。このアビリティの選択ですが、イメージを掴みやすく世界設定とも整合できるようにアーキタイプが用意されています。これはWarrior(戦士職)、Rogue(盗賊職)およびMystic(術者職)の3つの分類があり、それぞれに5種類用意されています。このアーキタイプで、能力値配分、アビリティ選択のお勧めを示すって感じです。
戦士職
Berserker(バーサーカー)/狂戦士
Duelist(デュエリスト)/決闘者
Captain(キャプテン)/兵士長
Sellsword(セルソード)/売剣
Knight(ナイト)/騎士
傭兵をMersenaryではなく、Sellswordにしているって雰囲気いいですね!
盗賊職
Charlatan(シャーラテン)/いかさま師
Witchhunter(ウィッチハンター)/魔狩人
Thug(サグ)/ごろつき
Treasure-Hunter(トレジャー・ハンター)/お宝掘り
Ranger(レンジャー)/野伏せ
ウィッチハンターは、“魔女狩り”というよりはBlight beasts(闇枯れの獣?)と戦う狩人って感じです。
術者職
Witch(ウィッチ)/巫術師
Sorcerer(ソーサラー)/妖術師
Theurg(シィアージ)/神業執行者
Wizard(ウィザード)/魔導師
Self-taught Mystic(セルフトート・ミスティック)/我流まじない師
魔術なんですが、この世界のものは使用すると魂が汚染される暗黒の技のようです(ルールを詳しく読み込めていません)。ウィザードは学問的に取り組む一派、ソーサラーは力を憑かれて汚染を躊躇わない外道の一派。ウィッチはバーバリアンなど、アニミスト的に森の力を使う一派。シィアージは、太陽神を崇める神官。Clericとか一般的な単語を使わないのはどうやらそれらしい理由があるかも? このイラストを載せたページがアップされてて、『異端者め、プリオス神はすべてお見通しだ』と仰っておりますですぜ、旦那。
https://www.indiegogo.com/projects/symbaroum-core-rulebook#/gallery
突貫工事のレビューですが、こんな感じで。ツィッターで告知したら反応よかったので、質よりスピードを優先しましたです。
『スカイリム』とか圧倒的なビジュアルのテレビゲームなどで、世界観をストレートに出すことが可能になりました。しかし、イメージソースとして優秀なイラストや設定によって、TRPGもより深い世界を想像できるという一例になるシステムかなと感じました。
とりあえず、このイラストのためだけでも来年発売の製本版を買おうと思っています。
JGCとDAC!!
まず、日本最大のTRPGイベントであるJGC2015について。9月5日(土)および6日(日)に、物販ルームのサンセットゲームズのブースにおいて『ハーンマスター』の体験会を行なう予定です。
http://www.arclight.co.jp/jgc/index.php
時間帯を決めずに参加者の希望でゲームを行な、フリーな感じですので気楽に顔をだしてもらえればと思っています。
続きまして、DAC関係の告知を。
7月18日、19日に開催されたDAC愛知に参加し、D&Dにどっぷり漬かってきました。濃厚な体験ができ面白かったです。主催者、一緒に遊んでくれた方々ありがとうございます!
DACですが、本家が10月10日(土)と11日(日)に開催されます。
http://dacnext.sakura.ne.jp/2015/
流石に規模が多く、色々な卓が立ちますね。
自分も11日、4版ダーク・サンのDMとして立候補しております。
よろしくです。
最期に11月7日にDAC東北が開催されるとのこと。
こちらは今回が1回目になります。
さらに来年はDAC大阪が予定されているとのことで、凄いですね!
これを機会にもっと盛り上がるといいですね!
DAC愛知2015!
今回はDAC愛知2015の告知について。
今年もD&D系のコンベンション大会が名古屋で開催されますよ〜
http://www55.atwiki.jp/dac_aichi/
日程は7月18日と19日。
5版卓もありますね。
今回は久々に参加できそうなのでDMに立候補してみました。
4版のダーク・サンのセッションを予定しています。
よろしく〜
『ウォーハンマーRPG基本ルールブック』増刷!!
今回も『ウォーハンマーRPG』についてです。
皆さまのお陰でとうとう増刷ですよ〜
ただ、Amzonなど見てもプレミア価格の物しかありません。
ロールアンドロールステーションでも初回入荷分は即売り切れ状態のようです。
一番入手確実なのは、ウェブサイトの紹介のあるよう書店注文かもしれませんね。
ニコ生放送を通じて興味をもたれた方、エラッタ反映済みを入手されたい方、是非々々〜〜
ウォーハンマーRPGプレイ動画配信について!
今回は久々に『ウォーハンマーRPG』について。
ホビージャパンの公式ウェブサイトに更新があり、ニコニコ動画でプレイ動画の配信をするとのことです。
http://live.nicovideo.jp/gate/lv211086882
そして、「祝『ウォーハンマーRPG』基本ルールブック再販」と書かれてます! 再販に向けては昨年から動きがありまして、翻訳チームでエラッタの整理などをしました。
動画配信は25日の水曜から。その放送で再販について公式アナウンスとかあるかも? 楽しみですね〜
D&D Next 『DMG』発売されました!
今回は『D&D Next』。Dungeon Master’s Guideがついに発売され、基本三冊がそろいましたね。そこで、今回は『DMG』。プレイを通じてこのルールは『DMG』の説明を読むまで詳しい部分は判らないと思っていた箇所が、どうなっていたのかざくっと紹介しますね。
Dungeons & Dragons Dungeon Master's Guide (Core Rulebook, D&D Roleplaying Game) (D&D Core Rulebook)
- 作者: Wizards RPG Team
- 出版社/メーカー: Wizards of the Coast
- 発売日: 2014/12/09
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログ (1件) を見る
まずは、基本ルールである抽象戦闘での範囲魔法などの扱いについて。15ftConeのバーニング・ハンドで何体の敵を巻き込めるかとかですね。これについては、例えば15ftConeなら15÷10=1.5、切り上げで2体巻き込めるという感じに数値化されるようになっています。軽さがNextの戦闘の強みなので案外いい感じかも? 後、大勢の敵の処理について命中率によって被弾率を決定する選択ルールなんかもあります。50%程度で命中なら、2体攻撃したら1発被弾みたいな感じです。これでゴブリン30体だしても大丈夫?!
しかし、抽象ルールを採用したら機会攻撃など活用が難しくなるルールなどもあります。特技に長柄武器を使用していたら、間合いに入った敵を攻撃できるものがありますが、これなんか特にそうですね。
そこで、スクェア戦闘のオプションルール。挟撃なども追加されています。また、ヘクス戦闘ルールなどもありましたよ!
ただ、これらを使用するには細かいことを詰める必要があると思いました。当然、記載があると思っていた15ftConeの形状や大型キャラの間合いなどのフォローがないのですね。これは、プレイグループ毎に決めるのが前提なんでしょうね。3.5版をメインで遊んでいたから、そのルールを流用とか。
次はインスピレーションのルールについて。これはロールプレイによってダイス・ロールへのボーナスを得るルールです。どの頻度で与えたらよいかという目安がDMGで提示されました。基本は1セッションに1回とのことです。思ったよりも少なめって感じですね。もちろんGM裁量によって調整してよいとされています。
3版や4版は、全員が基本同じルールで遊ぶという前提が強かったように思います。レギュレーションなどの差があっても、ルール運用は同じって感じですね。これに対してNextはプレイグループ毎にカスタムされたD&Dで遊んでねってベクトルを強く感じます。ここら辺は新たな戦略なんでしょうかね?
最期にDMGにマジック・アイテムが追加されてます。ちょっと驚いたのが武器と鎧のボーナスの最大値が+3までってことですね。能力値の最大値が20。習熟ボーナスの最大値が+6。攻撃ボーナスの最大値は基本+14ってことですね。3版や4版と比べるとダイス・ロールの比重が高くなっていますね。
後、今回マジック・アイテムのイラストが多く載っているのですがこれがいいですね。Nextのイラストは大人しめな感じですが、雰囲気がよいものが多いですね。特にお馴染みのバック・オヴ・ホールディングスは一見の価値がありますね。ちょっとイラっとする顔の模様が着いてます。センディング・ストーンは、恋人たちはスマホのようにこれを持って会話するのかなとか考えるとほっこりするようなちょっと異様な形をしてますねw
これで基本三冊がそろいました。Nextはあまり遊べていないのですが、これを機にやっていこうと思っています。
『Orcs of Stonefang Pass』をプレイしました!
今回は久しぶりにD&D4版について。5版に移行していったらなかなか遊べなくなるんじゃと思い、前々からやろうと思っていたシナリオ『Orcs of Stonefang Pass』のDMをしました。
Orcs of Stonefang Pass: Adventure HS2 for 4th Edition D&D
- 作者: Logan Bonner
- 出版社/メーカー: Wizards of the Coast
- 発売日: 2010/07/20
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 2人 クリック: 3回
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本作はHSシリーズというシナリオラインのものです。このシリーズの1作目の1レベルシナリオ『The Slaying Stone』は3年前に紹介させてもらいました。
http://d.hatena.ne.jp/Yasujirou/20110413/1302698084
『The Slaying Stone』は、ゴブリンに占領されてしまった都市に潜入し、危険な秘宝を回収するってシナリオでした。テーマが判り易く、シナリオが調整しやすい構造になっており、自分の中で評価は高いです。D&D4版はこんなことをするんだということを、戦闘以外も含めて提示できていると思っています。
今回の『Orcs of Stonefang Pass』は、『The Slaying Stone』に続く2作目になります。
ストーリーの概要ですが、表題のとおりオークとの戦いになります。交易路の要所であるStonefang Pass(岩牙峠)のトンネル。ここにはドワーフが住んでいたが、氏族間でのゴタゴタの隙を突かれて“くり抜き目玉”部族のオークどもに占領されてしまった。命からがらふもとの町まで逃げてきたグリントシールド氏族の王子は、トンネルの奪回をPCたちに依頼するって感じです。前作に“くり抜き目玉”部族のオークが登場しており、ここがつながっているわけですが、本作だけでも十分に遊べます。
対象レベルは5です。1作目が基本的なものとしたら、こちらは応用的な作りが増えており、もちろんオークと延々戦闘するシナリオってレベルではありません。捻りがきいた遭遇が多く、仕掛けのあるものが多めです。こういう、変化球もできますという提示なんでしょうね。また、ストーリーもオーク退治に終わらず、より大きな展開が待っています。
1レベル対象の前作は、英雄級とはこんなことをするという提示の意味合いも強かったと思います。悲劇に見舞われた都市をこれからどうにかしていく、その英雄のひとりが君だという感じです。そして、今回は5レベル。英雄級の折り返し地点として、伝説級を見据えたものになっています。話のスケールが伝説、例えば1匹のドラゴンが町を壊滅させたとか、一国を揺るがした凶事などのスケールの話にリンクしていくのですね。ネタばれになるので具体的には言及できませんが、まさしく伝説に今後PCたちが関わっていく、そんなスケール感を提示するシナリオになっています。8レベルくらいのシナリオでは伝説級のボスがでてきてもおかしくないので、5レベル辺りから風呂敷を広げるって感じなんでしょうね。
話のスケールもレベルアップしていくことを実感できる続編になていると思います。ただ、HSシリーズはエッセンシャルの展開によって、2作しかでていないのが返す返すも残念です。3本目がで出ていたら、「これが、伝説級だ!」って感じのシナリオになっていたかと思います。
幸い、本作はPDF販売されており、入手も簡単になっています。36ページのショート・シナリオで、数遭遇カットしたら5〜6時間でプレイできる感じですよ!