『ウォーハンマー3版』続報 その6

 『ウォーハンマーRPG3版』の続報です。例によってサイト更新が早く、何か『テト○ス』や『ぷよぷ○』をやっている気分。処理できないくらい溜まらないように、ちゃっちゃとかたづけようと思います。



 とりあえず、紹介していない記事は以下の通り。


Meet Gurni Thorgrison (ドワーフの港湾労働者グルニ・ソーグリソンを使用したキャラクターメイキング)
http://www.fantasyflightgames.com/edge_news.asp?eidn=820


The Bad, The Worse, and the Ugly (敵役クリーチャーの紹介)
http://www.fantasyflightgames.com/edge_news.asp?eidn=823


Keeping the Faith (信仰呪文の紹介)
http://www.fantasyflightgames.com/edge_news.asp?eidn=833


Combat Training 101 (戦闘ルールその1)
http://www.fantasyflightgames.com/edge_news.asp?eidn=841


Lights, Camera, Action! (シーンとエピソードの構造)
http://www.fantasyflightgames.com/edge_news.asp?eidn=850


Combat Training 102 (戦闘ルールその1)
http://www.fantasyflightgames.com/edge_news.asp?eidn=859


 うぅ、処理落ちしそう(笑)。


 更に知らない間に、短編小説もPDFで無料公開。
http://www.fantasyflightgames.com/ffg_content/wfrp/ratcatchers/ARatcatchersTale.pdf


 題名は何と『A Rat Catcher’s Tale』! 全国4千万人のネズミ捕りファンに朗報です!『ネズミ捕りの物語』ですぜ、旦那! 3版にネズミ捕りがいるなら、いるって早く言ってくれればいいのに。


 もう、落ちものパズルゲーは諦めて、これを読もうとか思わないわけでもないわけはありませんかもしれません。



 ま、なにはともあれまずはキャラメイクのご紹介。


 ステップ1は「種族決定」です。これは説明不要ですね。


 ステップ2は「キャリア・カードを3枚引いて、1枚決定」。この際、1枚はthe Adventurer’s Toolkitからの新キャリア・カードのなかから引いてもいいよとしています。商魂たくましいですねぇ。


 ステップ3は「作成ポイントの使用」とあります。

 ここからは、詳しい説明が必要ですね。3版ではキャラクター作成時に作成ポイント(Creation Points)がもらえて、これを消費して能力値や「財産」、「技能」などを購入するタイプになっています。『シャドウラン』のキャラクターメイキングを思い出しますね。


 種族毎に基本能力値と作成点が決定しています。


人間:【筋】2、【頑】2、【敏】2、【知】2、【意】2、【協】2、作成点25
ドワーフ:【筋】3、【頑】3、【敏】2、【知】2、【意】2、【協】2、作成点20
ハイエルフ:【筋】2、【頑】2、【敏】3、【知】3、【意】2、【協】2、作成点20
ウッドエルフ:【筋】2、【頑】2、【敏】3、【知】2、【意】3、【協】2、作成点20


 人間は作成ポイントが25だけど、他の種族は20。その代り、2つ能力値が3になっていますね。

 そして、ポイントを使用して能力値や以下の成長などを購入するわけです。

財産 作成点0:赤貧、作成点1:貧乏、作成点2:中流、作成点3:富豪
技能 作成点0:1個、作成点1:2個、作成点2:3個と熟達1個、作成点3:4個と熟達2個
異能 作成点0:0個、作成点1:1個、作成点2:2個、作成点3:3個
アクション・カード 作成点0:1枚、作成点1:2枚、作成点2:3枚、作成点3:4枚


 能力値の購入は上げる値と同数必要な模様です。例えば、2の能力値を3にしたければ3ポイントとなるわけです。財産ですが“貧乏”なキャラクターでも、丈夫で快適な衣服一式と布製背負い袋をもっており、サンプルのグルニはそれ以外にダガーとクオーター・スタッフ、ハンドアックス、ライト・クロスボウ、銀貨50枚を選択しています。“貧乏”がデフォルトくらいでしょうか? 逆に貴族の生まれにしたければ、3ポイント払えということでしょうね。アクション・カードは基本以外に追加する枚数になります。呪文使いの呪文は、アクション・カード扱いなので3ポイント払えば最大4個の呪文をもってのスタートになりますね。


 ステップ4は「スタンスの決定」です。例の無謀や慎重とかのですね。


http://www.fantasyflightgames.com/ffg_content/wfrp/warhammer-fantasy-roleplay-character-generation/WFRP_CharacterSheet_GurniThorgrimson.pdf


 ここでグルニのキャラクター・シートがDLできます。結構すっきりと整理されたキャラクター・シートですね。細かいデータはカードを使うので、それほど情報をつめこまなくてよいのでしょう。



 次にクリーチャーについて。クリーチャーについて3版で大きな変更がありました。“ヘンチマン”です。

 これは、要は『アリアンロッド』などのトループ。雑魚の群れを1キャラとして表現したものです。ヘンチマンはPCや通常クリーチャーよりも弱く、耐久力も少ないとのことです。例として通常のゴール・ビーストマンの耐久力は12だけど、ヘンチマンのゴールの群は全員で5点を共有しているということです。

 ここら辺は今風ですが、これまでの流れとは一線を画すものですね。今まで、スノットリングとは言えど、1ダースの群に突っ込むのは大変危険な行為でした。3版では初期キャラとは言えど、割れた酒瓶を武器にしたネズミ捕りが雑魚スケイブンの群1ダースを撲殺するということも可能なんでしょうね。

http://www.fantasyflightgames.com/ffg_content/wfrp/warhammer-fantasy-roleplay-enemies-npcs-monsters/WFRP_BestiarySpread.pdf

 ここにクリーチャーのサンプルが載っています。ケイオス・チャンピオンも紹介されていますが、どのくらい強いのか今一判りません。モンスターの強さは、主にダメージ出力や防御能力で判断するのですが、この特殊ダイスのシステムでは敵の1手番でどれだけの被害が発生するのか判断しにくいです。戦闘ルールなどのデータが完全にオープンされても、この部分に関しては実プレイを通じてじゃないとなかなかピンとこないのかもしれません。



 次に信仰呪文。旧版では呪文を使うのには魔力点を消費しなければならず、2版ではリスクを負うものの使い放題でした。3版では祝福(blessing)を発動させるには、恩寵点(Favour)が必要とあります。


 恩寵点は、基本的に術者の【意志力】と同じ値の模様。祝福の使用によって減った分は徐々に回復していくということです。場合によっては【意志力】以上に恩寵点が貯まるケースがあるとのことですが、その場合は同じ値まで徐々に下がっていくそうです。



 最後にLights, Camera, Action!について。これはストーリーをシーンごとに分けるとか、まさにシーン制のある和製ゲームのようなことが書かれています。しかし、読んだ感じでは日本のものとは違いますね。ただ、類似点ももちろんあります。TRPGのストーリーの進め方を、判りやすい形に解体して、使いやすい道具にしている点です。


 3版は、2版の延長上のものというよりも、Fantasy Flight Game社ブランドのTRPGであるというニュアンスを強く感じます。つまり、Fantasy Flight Game社ブランドのファン、『ルーン・バウンド』などをボードゲームのファンを購買層の一部に必ず想定しているのだと思います。ボードゲームしかやったことのないプレイヤーが、TRPGで躓き易い箇所といえば、戦闘部分ではないでしょうね。ゲーム上の戦闘ならお手の物だと思います。逆に明文化されたルールがなく、プレイヤーの自由裁量で進めなくてはならない部分、つまりロールプレイ部分やシナリオの進め方が彼らにとって判りにくいのではないかと思います。なので、3版ではここら辺をできる限りルールでサポートし、定型を作っていこうという感じのようです。


 まず、大枠として以前に触れた物語モード(story mode)と遭遇モード(encounter mode)。遭遇モードとは戦闘などのラウンド進行の部分。これには、D&D4版の技能チャレンジのようなものの含まれるようです。物語モードはそれ以外。

 シナリオをプロット毎にエピソードという形に分け、更にそれを幕(Act)という単位に分けて、幕ごとにモードを使い分けて進めるのが基本になる模様。

 幕には3つの基本があって、最初は劇的な何かの準備の幕、次が盛り上がりつつ行動を行なう幕、最後が問題解決の幕だそうです。


 例として『人質交渉』というのがあります。

 一幕(オープニング・ムービー):誘拐の情報がキャラクターの耳に入るという、準備のための舞台。ここは大変短く、物語モードで行なうだろう。

 二幕(切迫した交渉):交渉を行なうシーン。進捗トラッカーでこのシーンを解決すべき。交渉が成功するか、相手が交渉を打ち切るか、戦闘で問題解決ししたらこの幕は終了。三幕の前に幕間をいれる。

 三幕(結果):二幕の結果に従って、後処理を行なう。行動の内容によって次のエピソードにつながっていく。


 これを見る限り、一幕と三幕は二幕のおまけみたいですね(笑)。何を言いたいのかあまりピンときていません。しかし、3版でどのような形のシナリオを提供しようとしているのかは、公式シナリオが公開されれば明白になるでしょうね。憶測ですが2版のシナリオよりも、D&D4版やシーン制のゲームのシナリオに似たものになる確率が断然高いと思います。


 後、戦闘ルールが残っていますが、これは戦闘ルールが一通り出そろったら紹介したいと思います。