『Dark Sun』続報（その2）

TRPG D&D4版 ダーク・サン

　今回はD&D4版のDark Sunの話です。来週にはキャンペーン・セッティング発売ということで、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のウェブサイトにも情報が充実してきました。そこら辺をかいつまんで説明します。例によって訳語は適当なものになります。

　まずは世界設定の年代です。AD&Dのダーク・サンは小説とリンクしていました。小説は、主人公たちがティール（Tyr）という都市のソーサラーキングのカラック王（Kalak）を倒すのが１巻目になり、ここから年代が“自由年”（Free Year）という実にアメリカらしいものに代わります。小説は主人公たちが世界の裏ボス的存在を倒すまでの10年間を扱っています。

　で、4版はどの年代をやるかというと、ティールの解放があまり知られていないという感じなので、その直後をやるっぽいです。これはよいですね。ダーク・サンの世界の中心はテーブルランズ（Tablelands；“大台地”位の意味？）という所で、ここにはソーサラーキングが治める都市が複数あるのですが、小説の主人公たちが倒しちゃった後の世界ってのはつまらないですしね。『北斗の拳』で言えば、南斗六将とかはPCが倒したいですねってことです。

　4版でもソーサラーキングはデータ化されていて、その１人がすでに公開されています。都市グルグ（Gulg）を治めるソーサラークイーンにして森の女王、ララリプイ（Lalali-Puy）です。ダーク・サンではエキゾチックな名前が多く読み方が判りません。Lalali-Puyは、レレライプイ？　どちらにしてもインパクトのある名前ですね。ドラゴンクイーンには都市レーム（Raam）のアバラチレ（Abalach-Re）という、これまた個性的な名前な方がいます。このドラゴンクイーンはAD&Dの『Black Water』のシナリオにチョイ役で登場するのですが、この名前だけでプレイヤーに大ウケでした（その後、１時間ばかし事ある毎に「レッ！、レッ！、レェェ！」とか言ってました）。

　で、話を戻して4版でのララリプイのデータですが、28レベル単独モンスターのヒューマンになります。ようはデーモン・プリンス並みの力を手に入れた人間という感じ。ずばり神話級の敵ですね。そして、多分にPCにもソーサラーキング並みになれる「神話の運命」が用意されているはずです。


　では、データ的な話に。PCたちの拡張ルールは当然用意されています。

　追加種族は、カマキリ人間のスリクリーンと、ハーフ・ドワーフのムル（Mul）です。AD&D時代にはアラコクラ（Arakocra）というハゲワシ人間、プテラン（Pterrans）というプテラノドン人間もPC種族だったのですが、今回はないです。ただし、アラコクラは『Dark Sun Creature Catalog』にクリーチャーとして掲載されている模様。

　新ビルドとして、サイオニックの防衛役バトルマインドに「天性のバトルマインド」（Wild Battle Mind）、ファイターに「闘技ファイター」（Arena fighter）、シャーマンに「アニミストのシャーマン」（Animist shaman）、ウォーロックに「ソーサラーキングの契約」が追加されています。



　その他、新特技とか当然あるわけですが、目玉はキャラクター・テーマですね。これは、キャラクター作成の新要素でして、データ的にはテーマ専用のパワーをクラスパワーとは別にもらえ、伝説の道にテーマ専用なものが用意されています。

　ダーク・サンで容易されているテーマは以下の10種類です。

・アタスの吟遊詩人（Athasian minstrel）：芸人、助言者、暗殺者
・砂漠の交易商人（Dune trader）：商家のエージェント
・元素の神官（Elemental priest）：元素のエレメンタルの崇拝者
・剣闘士（Gladiator）：闘技場で戦う戦士
・英才超能力者（Noble adept）：“精神の道”（the Way）を指導され、参入を許可された者
・原始の守護者（Primal guardian）：オアシスや森の守護者
・テンプラー（Templar）：ソーサラーキングのエージェント
・秘匿同盟（Veiled Alliance）：秘術魔術の秘密の使い手
・荒野の流浪民（Wasteland nomad）：砂漠の襲撃者、または斥候
・天性の超能力者（Wilder）：サイオニックの才能を持つ英雄


　たとえば、「剣闘士」なら遭遇毎の攻撃パワーを得るとかの特典をもらえるわけです。また、これってアタスにおける立ち位置も決めるものですね。なぜ「テンプラー」と「砂漠の交易商人」が一緒のパーティにいるのかとか、シナリオ導入にも役立ちそうですね。


　ま、何にせよ早いものでもう来週発売です。『Dark Sun Creature Catalog』はもうすでにKonozamaをくらって入手が遅れそうですが、他はちゃんと来週中に届いて欲しいな。