文庫版Truth in Fantasy

 今回はTruth in Fantasyシリーズの文庫版の紹介です。20年前に発売されたものが、求めやすい価格で新装発売です。


幻の戦士たち (新紀元文庫)

幻の戦士たち (新紀元文庫)

幻想世界の住人たち (新紀元文庫)

幻想世界の住人たち (新紀元文庫)

魔術師の饗宴 (新紀元文庫)

魔術師の饗宴 (新紀元文庫)



 Truth in Fantasyはファンタジー世界の元ネタ本になります。神話やモンスター、英雄、武器、魔術などの蘊蓄本ですね。いま、ちょくちょく再読しているのですが、懐かしいのやら、新たな発見があるやら、面白いです。


 おっさんの昔話になりますが、自分が中高生のころには西洋ファンタジーって本当に情報が少なかったです。今のようにインターネットももちろんなく、PCの洋ゲーなども今のようにグラフィックが緻密じゃなかったですし。鎖帷子とか言ってもどういう形状なのか文字やらドット絵では判らなかったり。モンスターも“ノール”とか言われても、何それって感じでした。その分、極めて新鮮な世界ではありましたがw


 PCの『Might & Magic』ってRPGでFlambergeという強い両手武器を手に入れることができて、これが何か学校の図書室に調べにいったこともありました。自分が持っていないような立派な英和辞典で調べたのですが載ってなかったですね。Flambergeがフランス語って知ったのは後のことです。


 そんな遠い西洋ファンタジー世界ですが『ウォーロック』って雑誌でちょくちょく解説されるようになったりして、昭和の終わりごろには色々解説本とかでるようになりました。富士見文庫の『アイテム・コレクション』などのシリーズとか。水野良氏の『ロードス島戦記』は小説ですが、日本にはまだまだ認知度の低かった西洋ファンタジー世界の常識を日本の読者に判りやすく紹介してくれた作品でした。これらは貪るように読みましたね。これらの中で異色を放つ蘊蓄本がTruth in Fantasyでした。


 これらは名前の通り史実や民話ではどうだったということを紹介していくれるシリーズでした。例えば西洋の武器。これを読むまで、槍の柄が木製ってしりませんでした。当然、鉄製だと思っていました。盾なんかもろにガンダムシールドのように全部鋼鉄製だと信じていました。

 ゲームの中のモンスターについては、ウルトラマンの怪獣や仮面ライダーの怪人のような存在とあまり変わらなかったのですが、元ネタを知ることで見る目が変わりました。

 これらも大変面白かったです。このシリーズと出会うことがなかったのなら、歴史に対してもっと無関心になっていたと思います。やはり影響が大きいですね。


 なので、今回の新装版は嬉しいです。10月末に第二弾がでますし、コンスタントに発売して欲しいものです。


 コボルトって西洋の座敷わらしのような存在だったということを知ったからといってすぐにゲームに活用できるわけでもない場合が多いってのも事実です。でも、ゲームを楽しむ部分は確実に豊かになると思いますよ。