D&D Next基本ルール公開!
今回はホットな話題の『D&D Next』について。D&D5版について重要な動きがありました。
まずは、ホビージャパンさんの告知から。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/news/next/index.html
Wizards社が、翻訳版のライセンスは発行しないことに決定したことが通知されています。
ホビージャパンからNextの日本語版が発売されるものだと当然思っていたので、これにはびっくりしました。
ただ、Wizards社自身が日本語版を発売する可能性はあるので、翻訳版は絶対出ないということではないとのことです。
日本からの要望が多ければ可能性はなくないのですね。
で、そのNextですが、Wizards社のウェブサイトで先日基本ルールのPDFが無料公開されています。
http://www.wizards.com/dnd/Article.aspx?x=dnd/basicrules
何か凄い時代になりました。データを売るという商売から、別のもの、例えば体験を売るという形にシフトしていっているのでしょうか?
無料データで間口を広げ、これを足掛かりにビジネスを展開していくのでしょうね。
そして、気になるNextの中身ですが、テイストはクラシックD&Dに近いですね。こちらも凄い方向転換を感じます。
各版のキャラメイキングを模型に例えると、3版系は精緻なフルスクラッチモデル。パーツの組み合わせは数知れず、奥が深い。4版はガンプラ。素組みでもなかなか見栄えがよく、とっつきやすい。さらに、そこから改造やフルスクラッチなどの奥の深いことが可能。
それらに比べると、Nextは着色済みのアクション・フィギャかなと思っています。作る部分は少なく、すぐ手にとって遊べることを念頭においている。作る過程よりも、おもちゃとして遊ぶ原点に回帰しているという感じです。
まあ、模型の例えは判りにくい方も少なくないかもしれないので、実際どういう感じか簡単に紹介します。
凄くシンプルな、子供が飲み込みやすいルールになっています。掛け算はもちろん、足し算や引き算を頻繁にやらないものになっています。
能力値は従来通り6つ。3版以降と同じく、10を2超す毎に+1のボーナスを得ることができます。従来通りこの能力値ボーナスが全ての判定の基礎になります。
そして、判定を行なう際、これにクラスのボーナスが加算されますが、これは習熟ボーナス(Proficiency Bounus)というものに統一されています。これは1レベルで+2で全クラス統一、そして4レベル毎に+1されていきます。
例えば、ロングソードに習熟していたら筋力ベースの攻撃ロールに、〈軽業〉の技能に習熟していたらその敏捷力テストに、+2の習熟ボーナスを得るという形ですね。
大体、すべてこの形で判定する感じです。
では、有利な状況のボーナス、不利な状況のペナルティはどうなるのでしょう? これについても、「有利」(Advantage)と「不利」(Disadvantage)の二つにまとめられています。「有利」ならd20を2つロールして良い出目を採用。「不利」の場合は悪い目を採用になります。
ともかく、足し算と引き算を頻繁に行なうことを避けて、シンプルに軽いものを目指していると思います。
じゃあ、PCのデータもシンプルで選択肢が少ないかといえば、ここは拡張性を持たしている感じです。
種族と背景によって習熟技能や特殊能力に幅を持たせ、クラスでもバリアントを多く用意して差別化を図る感じですね。
例えば、ファイターなら戦闘スタイルが基本ルールで6つ提示されています。
戦闘ルールもシンプルなものになっていますね。そして、状況打破力の多くは呪文に依存するという旧来の形に戻っていますね。
以上、ざっくりとした概要です。
今月にStarter Setが発売されます。紀伊国屋で注文中なので、入手したらプレイして感触を確かめたいですね。また、Web公開された基本ルールには想像以上にビジュアルがなかったです。もっと、ボードゲームやコンシューマーゲームっぽいビジュアル体験を盛り込んだものだと思っていたのですね。そういう意味でStarter Setに期待しています。小学生男子が思わず凝視しちゃうような、そんなワクワクが詰まった物ならいいですよね!