D&D4版『秘術の書』

 翻訳の手伝いをしたD&D4版の『秘術の書』がAmazonで予約開始されています。


秘術の書 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版サプリメント)

秘術の書 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版サプリメント)


 本書は、秘術パワーを使うクラスの追加サプリになっております。ウィザードとウォーロック、ソードメイジ、バード、ソーサラーの追加パワーなどが主な内容です。

 自分自身は、クレバーさが要求される魔法使い系クラスより、本能の赴くまま両手武器をぶんぶん振りまわす前衛攻撃系がタイプです。特にD&D3.5版の術者系は、呪文選択やスクロール準備など「おれ、アホウ使いだから無理っす」と敬遠していました。しかし、D&D4版は“クレリックでも、敵を殴って防御パワー発動”に変更されたので、“とにかくオレに殴らせろタイプ”の自分としては性に合っています。また、秘術系撃破役は「攻撃呪文をドッカンドッカン撃ってればOK!」と3.5版ならマシンガン・ウィザードなど揶揄されたようなことでも、これこそが仕事だと胸を張れるのがよいですね。まあ、3.5版でもウォーメイジという攻撃呪文特化型クラスがありましたが、パーティーの位置づけはサブウィザードで6人以上のパーティーではないとなかなか居場所がなかったと思います。秘術系撃破役もサブ撃破役だとは思いますが、それよりもずいぶんパーティーに組み込みやすいと思います。


 『秘術の書』では『PHB2』で追加された秘術系撃破役クラスのソーサラーを主に担当させていただきました。単体に大ダメージを与えるローグとは異なり、ソーサラーは主に範囲魔法でもって複数の敵に高ダメージを与えます。ソーサラーには秘術系特有の知的な感じがあまりしない力技のパワーがたくさんあり、訳していて楽しかったです。ビバ高火力!


 しかし、4版は単なる火炎放射器ソーサラーだけでは、パーティーに貢献できないのも事実です。例えば、強力な噴射パワーを持っているといって、精鋭モンスターと取り巻きになにも考えず突っ込むのはご法度ですね。4版は、キャラメイクなどのルール周りはシンプルだけど、キャラクター運用は奥深いです。自分のキャラクターをいかに先鋭化させるというよりも、他のキャラクターとの連携が大事ですね。ルールはシンプルだけど奥深いという所が気に入っています。


 シンプルだからか、初心者も誘いやすいような気もします。ただ、4版初心者、特にマス目戦闘に馴れていないプレイヤーに対してDMする際には、連携が大事だよと説明しますが、具体例などの細かい所は「実プレイで、身体で覚えろ」と放置気味でした。いや、自分もマス目戦闘得意とは言えなので、「ひとりで無謀に突っ込むな」とか、「後衛が複数の敵に囲まれる位置にいるな」とか、「攻撃を集中させろ」みたいな初歩的なことしか言えないのですね。何か判り易い解説書がでないかなとか思っていた所、ぴったりなものが出版されました。『D&D第4版がよくわかる本Ⅱ』です。


D&D第4版がよくわかる本II (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

D&D第4版がよくわかる本II (ダンジョンズ&ドラゴンズ)


 本書はリプレイとルール解説が載っています。特に石川氏の「かけだし冒険者の戦術指南」と塚田氏の「プレイヤー向け実践記事」が良かったです。今後、4版初心者には、プレイに先駆けてこれを読んでもらおうと思っています。欲を言えば、『PHB2』と『Divine Power』、『Primal Power』の日本語版が出てから、総合的なハウツー本も出して欲しいですね。